漫画家、藤田和日郎の妖怪を題材にした長編
ふとしたきっかけから妖怪を退治する槍「獣の槍」を手に入れた主人公。しかし、その槍によって封じられていた妖怪を野に放ってしまう。人語を解すその妖怪は主人公を食べるためにとりつくが・・・
これはかなり前の作品だが、全編を通して作者の人生観というか読者に想定している子供たちへのメッセージ性が強い。人間としての心持を伝えようとしているといえばいいのだろうか。主人公のまっすぐな強い意志と、多種多様な登場人物との対比でそれは描き出されている。かといって、説教くさくはなくエンターテイメントとして非常に高いクオリティを持っているし、伏線をこれだけ張りまくって、それをきちんと収束させて完結したマンガはあまり無いと思う。この物語の主役とも言える獣の槍を手に入れた少年「うしお」と、封じられていた妖怪「とら」の絡みは秀逸だ。個人的には登場人物の「とら」を大人の象徴として読んだが、その“とら”が主人公の気持ちに次第に打算を超えて応えて行くのは個人的には心を打たれた。この作品のあまりにもまっとうすぎる価値観は逆に今読んでも響くし、男性なら少年期への憧憬をかきたてられること間違いなし
ふとしたきっかけから妖怪を退治する槍「獣の槍」を手に入れた主人公。しかし、その槍によって封じられていた妖怪を野に放ってしまう。人語を解すその妖怪は主人公を食べるためにとりつくが・・・
これはかなり前の作品だが、全編を通して作者の人生観というか読者に想定している子供たちへのメッセージ性が強い。人間としての心持を伝えようとしているといえばいいのだろうか。主人公のまっすぐな強い意志と、多種多様な登場人物との対比でそれは描き出されている。かといって、説教くさくはなくエンターテイメントとして非常に高いクオリティを持っているし、伏線をこれだけ張りまくって、それをきちんと収束させて完結したマンガはあまり無いと思う。この物語の主役とも言える獣の槍を手に入れた少年「うしお」と、封じられていた妖怪「とら」の絡みは秀逸だ。個人的には登場人物の「とら」を大人の象徴として読んだが、その“とら”が主人公の気持ちに次第に打算を超えて応えて行くのは個人的には心を打たれた。この作品のあまりにもまっとうすぎる価値観は逆に今読んでも響くし、男性なら少年期への憧憬をかきたてられること間違いなし
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