小説家、町田康の中編
表題作「夫婦茶碗」、「人間の屑」の2編を収録
無職で生活に困窮している夫婦を描いた「夫婦茶碗」、隠遁している元パンクロッカーの珍奇な生活を描いた「人間の屑」、他の作品と比較してみるとテーマにそぐわず・・・いや、合ってるのかも知れないが、文体や展開、描写等が妙に客観的かつ落ち着きがあり、矛盾するかもしれないが、独特の情熱的な諦観に溢れていて、作者の視線のバランスが凄く良い
この作品は正直言って「人間の屑」を表題にしたほうが良かった気がする。まぁ、それだとセールスに響くのかもしれないが、「人間の屑」の情けなさと笑いの要素はかなり秀逸だ。というか、「夫婦茶碗」の世界観は薄められエッセイとして再利用されているように見受けられるし、その分どうしても評価が落ちる。ただ、この後の作品、例えば芥川賞受賞作の「きれぎれ」なども、この作品あたりで評価されていたからこそ賞を取れたと思うわけで。あの作品は微妙すぎるし。まぁなんにせよ、町田康にまず入るならこの作品からがいいと思う。暴力性も抑制されていて日常的で自虐的な等身大の笑いがあり、とっつきやすいと思う
表題作「夫婦茶碗」、「人間の屑」の2編を収録
無職で生活に困窮している夫婦を描いた「夫婦茶碗」、隠遁している元パンクロッカーの珍奇な生活を描いた「人間の屑」、他の作品と比較してみるとテーマにそぐわず・・・いや、合ってるのかも知れないが、文体や展開、描写等が妙に客観的かつ落ち着きがあり、矛盾するかもしれないが、独特の情熱的な諦観に溢れていて、作者の視線のバランスが凄く良い
この作品は正直言って「人間の屑」を表題にしたほうが良かった気がする。まぁ、それだとセールスに響くのかもしれないが、「人間の屑」の情けなさと笑いの要素はかなり秀逸だ。というか、「夫婦茶碗」の世界観は薄められエッセイとして再利用されているように見受けられるし、その分どうしても評価が落ちる。ただ、この後の作品、例えば芥川賞受賞作の「きれぎれ」なども、この作品あたりで評価されていたからこそ賞を取れたと思うわけで。あの作品は微妙すぎるし。まぁなんにせよ、町田康にまず入るならこの作品からがいいと思う。暴力性も抑制されていて日常的で自虐的な等身大の笑いがあり、とっつきやすいと思う
コメント