First Love

2004年7月22日 音楽
宇多田ヒカルの1stアルバム

わずか15歳で、すべての作詞・作曲を手がけたデビュー作である。800万枚という天文学的ビッグ・セールスや、トーク番組における奔放な発言などの要素も加わって、「宇多田ヒカル」は一種の社会現象となった。ブルース、ソウル、R&Bが「戦略」ではなく完全に血肉化されたメロディ・ライン、日本語の音感を最大限に活かした歌詞、豊かな感情表現を生まれながらにして会得している声…。その圧倒的なオリジナリティーと恐ろしいほどの完成度が、日本の音楽シーンに与えた影響は凄まじく大きい

この作品は出た当初レンタルで何度か聴き、数年後改めて買いなおした作品。当時のシーンはまだJ-POPとロック寄りのアーティストの住み分けの境界線がはっきりしていた頃で、アーティストもそれを意識していたように思う。この作品での音楽性は現在と違いR&Bに寄っているが、そのジャンルでチャートにいるのはミーシャぐらいではなかっただろうか。その状況でリリースされたこのアルバムのインパクトというのは個人的にもかなりのものだったと記憶している。ようするに、当時個人的にある意味低く見ていたJ-POPという枠組みでR&Bというスタイルを万人向けに薄くしたハイクオリティなポップスを出すという戦略にインパクトを感じたというか。結果流動的で消費のスピードの速いJ-POPシーンである程度普遍性のあるアーティストイメージを獲得できたように見受けられる

現在聴くと音に厚みが足りない気もするが、やわらかな音と声質のバランスはなかなか良く、その後の作品にはない自然さがある。この作品以後、メロディラインが個人的には今ひとつという作品がしばらく続きがっかりすることになるんだが・・・
声質を生かしきれてないというか

リアルタイムで聴いていたら、当時のシーンとの比較で分かるインパクトやメディアの煽りも含んでかなりの名盤と思えるんだが、今から新規で聴く方はどう思うんだろうか・・・

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