漫画家、井上雄彦が吉川英治の原作を元に描く「宮本武蔵」。
この作家の魅力はやはり卓越した描写の上手さだろう。絵が上手いというのはもちろんのこと、物語に緩急をつけ、結果として作者自身の描くイメージを細かく伝えるのが非常に上手い。ようするに表現力があるということで。バガボンド連載開始の段階で、厳密に言えばスラムダンクの後期で絵柄はほぼ完成したように見受けられるが、連載開始初期は時代物という物語の転がし方を試行錯誤していた気がする。簡単に言うと漫画としてのエンタメ性と、この作家があえて武蔵を描くことの必然性をどこまで出せばよいのかを計っていたというか。だが、巻を重ねるに従ってだんだん固まっていき、「人間を描く」という部分に絞ってきたようだ。普通、青年誌で描く場合に大きく取り上げないような登場人物もかなり細かく描写している。それを描くことでストーリーとしてはかなりの遠回りになるが、その分物語に厚みが出るということなんだろうか。まぁ、もともとゆっくりとした展開をする作品なのでそれもいいのかもしれない。
この巻では台詞回しのほとんどない剣と剣のぶつかり合いを描いている。佐々木小次郎の耳が聞こえないという設定のせいでもあるが、なんというか・・・この段階になると表情だけで言わんとするところを語っているような。因みに次巻の21巻からは新章が始まるようだ。ついに武蔵と小次郎が絡むことになるらしい。待ちくたびれた感も大きいが、やはり楽しみだ
この作家の魅力はやはり卓越した描写の上手さだろう。絵が上手いというのはもちろんのこと、物語に緩急をつけ、結果として作者自身の描くイメージを細かく伝えるのが非常に上手い。ようするに表現力があるということで。バガボンド連載開始の段階で、厳密に言えばスラムダンクの後期で絵柄はほぼ完成したように見受けられるが、連載開始初期は時代物という物語の転がし方を試行錯誤していた気がする。簡単に言うと漫画としてのエンタメ性と、この作家があえて武蔵を描くことの必然性をどこまで出せばよいのかを計っていたというか。だが、巻を重ねるに従ってだんだん固まっていき、「人間を描く」という部分に絞ってきたようだ。普通、青年誌で描く場合に大きく取り上げないような登場人物もかなり細かく描写している。それを描くことでストーリーとしてはかなりの遠回りになるが、その分物語に厚みが出るということなんだろうか。まぁ、もともとゆっくりとした展開をする作品なのでそれもいいのかもしれない。
この巻では台詞回しのほとんどない剣と剣のぶつかり合いを描いている。佐々木小次郎の耳が聞こえないという設定のせいでもあるが、なんというか・・・この段階になると表情だけで言わんとするところを語っているような。因みに次巻の21巻からは新章が始まるようだ。ついに武蔵と小次郎が絡むことになるらしい。待ちくたびれた感も大きいが、やはり楽しみだ
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