dirty

2004年8月23日 音楽
ソニック・ユースの作品

前作『GOO』によって商業的成功を収めた彼らだが、そのエクスペリメント精神と決して大衆(マーケット)にこびない姿勢は、本作からもはっきりと感じとることができる。激しく響きわたる音を巧みにコントロールするサーストン・ムーアのギターが混沌とした音像を描き、激しく音圧を増したビートは抽象度を高めながら暴走する。また、90年代のアメリカが抱えていた、暗く歪んだ病理を鋭くえぐった歌詞も秀逸だ。このアルバムが表現した世界観は、20世紀末を確実にとらえていたのだと思う

このアーティストは個人的に、バンドとしてのイメージが非常に良い印象を受ける。楽曲はともかく、バンドとしては売り上げによる流行り廃りではなく、メディア等の煽りによる流行廃りの波を受けていない気がする。そして、それゆえに上記でも触れられている媚びない姿勢というものが格好良いというか

実際の音は、それほどマニアックではないし、現在聴くと普通のギターロックの範疇に入る。そして、楽曲が非常に・・・まぁ、こういう評価が適当かどうかは分からないが、シリアスな評価を要求される感じの音で、格好良い。計算された勢いのようなものがあり、凝ったひねりのあるアレンジが目立つ。そして、抑制されたメロディとギターを重ねて醸し出される世界観は決して明るく楽しいものではないが抜けがよく好感が持てる

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