Mr.Children 1992-1995

2004年9月7日 音楽
Mr.Childrenの上半期ベストアルバム

92年5月にミニアルバム『EVERYTHING』でデビューし、2001年で活動10周年となるMr.Children。本作は、彼らのヒットシングル9曲を含む、ベスト盤の前期編である。軽快なポップナンバーのファーストシングル「君がいた夏」から、愛なんてエゴのぶつかりあいだと、リアルな恋愛観を歌う「シーソーゲーム」まで、全15曲を収録。初のオリコン第1位を記録した「innocent world」の、心にしみるさわやかなメロディと、桜井和寿の澄みきったヴォーカル。それらを聴くと、初めてミスチルに触れたときの、心ときめく甘酸っぱい感動がよみがえる。96年以降のナンバーを収めた後期編も同時発売された

この作品は前期の楽曲を編んだものだが、後期を編んだものよりこちらのほうが売れたらしい。いわゆる品の良いラブソング・・・というかポップスを志向していた時期のほうが、後期のロックやフォーク色を曲に取り入れ、厭世観を少々入れた観念的な応援ソングといった歌詞の楽曲よりも良いとリスナーが判断したということになるのだろうか。それの是非はともかく、このアーティスト自身はそう受け止めたようで、インタビューで「聴いてくれる人が求めているものが分かった。方向性を考える材料になった」というような発言をしている。実際、この後に出た作品は、等身大の観念的な歌詞でシンガロングな名曲志向から転換し、成熟の過程でそぎ落とされていったように見えた優しげで温かみのある世界観を持った楽曲を作るという方向になっていった

この時期の楽曲の特徴としては、何年経っても“新鮮さ”を感じられるという部分がある。それはこのアーティストが一貫して志向している普遍性のあるアレンジの影響が大きいし、マッチョイズムを徹底的に排し、女性が生活で重要な位置を占めているような歌詞の世界観に“若さ”を感じるというのもあるかもしれない。それがこの時期は歌詞の世界観にかなりダイレクトに反映されていたということだろうか。ただ、活動を長く続けていくに当たって、シチュエーションを設定した歌詞のイメージの膨らみに限界を感じたのか、観念的でメッセージソングと呼べるような歌詞にシフトした感がある。個人的には彼らに足りない部分を補おうとしたように見えた。しかし、このアーティストの小洒落たイメージはある種の層にリアリティを感じさせることも厳然たる事実としてあるわけで、足りない部分を補おうとするよりも、良いと思われる部分を延ばしていく現在の方向性のほうが良いと思える

あれこれ書いたが、単純なポップスとしても出来が良いし、聴いて単純に「あぁ、いいな」と思える良盤だと思う

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