EXODUS

2004年9月7日 音楽
Utada名義の1stアルバム

オルタナティブ、ポップ、ダンス、ファンク・グルーヴがミックスし、ウィットに富んだリリックと、緻密に構成されたメロディが、このアルバムには注ぎ込まれている。初のリミックス・シングル・タイトルは 『Devil Inside』。これはアジアン・フレーバー溢 れるビートのダンストラック。そして 、明るくポップなメロディを持つ 『Easy Breezy』 は、アルバムからの最初のリード・ シングルとなる。このデビュー・アルバムには、スペシャルなゲストが参加。マーズ・ヴォルタのジョン・セオドアは『Kremlin Dusk』に参加。プロデューサーのティンバランドは 『EXODUS ’04』『Wonder ’Bout』『Let Me Give You My Love』 の各曲をプロデュースしている

この作品には分厚いブックレットが付属していて、内容は元ロッキング・オン編集長鹿野淳によるレビューと、新谷洋子という翻訳者による歌詞対訳、その翻訳者とUtadaの対談という内容の濃いもの。因みに対談では歌詞の文字の選び方や組み立て方など、結構掘り下げて語っている

肝心の音のほうだが、洋楽の音をマーケティングリサーチして、できるだけテイストを取り入れた“邦楽”という印象を受けた。歌唱法をかなり変えていて、ようするに米国のR&Bの歌唱法を踏襲していて、ユルさが無い。コーラスワークはこのアーティストの声質を生かしたもので、日本と大差はない。一聴した感想としては、「First Love」という1stアルバムを2004年現在に製作したらこういう音楽性になるんではないかという感じだ。おそらくそれを目指したのだろうし、実際のところそれは成功しているように思える

向こうで成功するために米国の音楽性に沿うという姿勢は、今まで全米進出して行ったほかの大物アーティストにも見受けられたが、この作品は精度が高く、情報の為の資本投下も惜しんでいない。その為、もしかしたらある程度成功を収めるかもしれない。ただ、売れたとしても流行の音の一つとして消費されることは間違いないところだろう。そのあたりは日本とあまり変わらないかもしれないが、日本ではブランド化しているからこそ作品がコンスタントに売れるわけで。

これは間違いなくいえるが、宇多田ヒカル名義の3rdよりは良いアルバムではある。この作品を4thアルバムとして捉えた場合、人気にクオリティがともなった素晴らしい作品ということになるだろう。ただ、その場合歌唱法の変化がまた賛否両論になるだろうし、個人的には米国に媚びているようで正直気持ちの良いものではなかった。さて、この作品は米国に受け入れられるんだろうか・・・

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