humansystem

2004年9月14日 音楽
TM NETWORKの良盤

TMネットワーク初の海外(ロス)レコーディングで、何故か異様なまでに録音レベルが低いCD。木根尚登と小室哲哉はこのアルバムが一番好きだと何処かで発言していた。作詞家の小室みつ子も一緒に同行しているが、この頃にTMの4人目のメンバーとしてのポジションを確立したように思う。サウンドは最もTMネットワークらしく、内容も直球勝負で分かりやすい。タイトルはセンスの良さを感じるが、小室哲哉本人は「やり過ぎたかも」と漏らしている。余談だが、小室系アーティストのカバー曲数がもっとも多いアルバムでもある

このアーティストは、後にプロデューサーとして一時代を築いた小室哲哉がキーボートとして参加したユニットで、彼はこの時代にはすでに作曲家としても広く認知されていた。“エピックメロディ”と呼ばれる独特のメロディラインで渡辺美里の「マイレボリューション」などのヒットシングルを量産し続けていて、当時もかなりの人気を誇り、最近活動を再開し根強いファンの間では注目されている

実際聴いてみると、疾走感のあるリズムにユーロビートのメロディが乗り、歌詞は恋愛のみというもので、アートワークやヴィジュアルからもホスト臭がかなり漂う。彼らの打ち出す世界観は明らかに女性をターゲットにしているものの、楽曲の大衆性によって彼らが意図しない層も巻き込んでいたようだ。まぁ、当時は現在のように観念的な歌詞が主流ではなかったので選択肢がなかったということもあるだろうが・・・

この作品は個人的に彼らの作品中最も良いアルバムだと思う。独特の寂寥感がありポップなメロディと、恋愛を様々な切り口から描き出すどこまでも心地よい歌詞の世界観はこのアーティストの作品中でも求心力と大衆性があるという点では突出しているし、楽曲の雰囲気も全体的に良く聴き飽きない。後に鈴木あみに提供した「Be Together」や、シングルで切られた「Resistance」など佳曲も多く、捨て曲と呼べるような楽曲は見当たらない

現在も活動しているアーティストではあるが、このアーティストに限っては過去にさかのぼって聴いたほうが良いと思う。プロデュース攻勢で磨耗した小室自身の繊細さといえるものが残っているはずなので

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