ロバート・アルトマン監督作品

メド・フライと呼ばれる害虫を駆除するため、農薬散布のヘリコプターが市街地を飛び回る。都市の上にばらまかれた農薬によって、人々は次第に狂気に陥っていくのか……。ハリウッドを徹底的に皮肉った傑作「ザ・プレイヤー」に続いて、R・アルトマンが豪華キャストで完成させた、3時間を越すユニークな群像劇。レイモンド・カーヴァーのいくつかの短編を基に、10組の人々の日常の中にひそむ非日常を鮮やかに描いている。もちろん単なるオムニバスなどである訳もなく、微妙に入り組んだ人物構成と繰り広げられるエピソードが無類の面白さになっている。それを支える、主役クラスばかりの錚々たるキャスティングも見応え充分だ

この作品はレイモンド・カーヴァーという作家の短編集を原作にしており、それぞれ関連性の無い短編を同時進行させ、ところどころでニアミスやクロスオーバーさせるというような構成になっている。因みに、この作品が公開される前後に村上春樹がその短編集を翻訳して日本でも出版された。「カーヴァー・ダズン」という作品なので探してみるのも吉

内容は、一言で言うと群像劇だろうか。全体的なトーンとしては派手な演出や分かりやすくするための演出といったものはあまり導入されておらず、淡々としたシチュエーションの妙を楽しむタイプの作品になっている。各々の短編集の主人公たちはその物語を紡ぐのに必死で、普通なら最後に一つの物語に収束していくところだろうが、そういうこともなく、主人公の1人にクローズアップした後終わる。こうして書いているとなんだかつまらない映画のように思えるが、そんなことは全く無い。キャストが皆演技力があり、一つ一つの話自体もそれなりに面白いからだ。3時間ある上映時間も全く苦にならないと思う

ただまぁ、最後のシーンにあっけにとられるかもしれないが・・・

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