ジャスティス

2004年10月13日 映画
ノーマン・ジュイソン監督作品、アル・パチーノ主演

若き弁護士アーサーは、正義の名の下に権威を振りかざすフレミング判事と常に対立していた。ある日、フレミング判事が婦女暴行罪で訴えられ、しかも、敵対するアーサーに弁護を依頼。人々の信頼を得るアーサーが弁護をすることで陪審員への受けが良くなると考えたのだ。さらに、弁護を受ける見返りに、無実の罪で投獄されているアーサーの依頼人ジェフを保釈してやるというのだが・・・。名優アル・パチーノが若き熱血弁護士を熱演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネート!後に「レインマン」でアカデミー賞監督賞に輝くバリー・レビンソンを脚本に迎え、「ザ・ハリケーン」の名匠ノーマン・ジュイソン監督が法曹界の内幕を暴いた社会派ドラマの傑作

この作品はとにもかくにもアル・パチーノ。とにもかくにも、だ。現在の渋く味のある演技の片鱗はこの頃からすでにそこかしこに散見されているが、この時期の彼には若さゆえのオーラといえるものがあり、それが熱血弁護士という設定に上手くかみ合い共感でき、親近感を持てる魅力がある

内容のほうだが、法曹界の内実を扱っているといっても、汚れた部分だけではなく、判事や弁護士の人間味溢れる日常、仕事における苦悩により壊れていく弁護士、被告人を救おうとする姿勢、パワーゲームや政治といった多彩な要素を描いている。現在の映画にありがちな、場面場面で効果音を使い臨場感を出したり感情表現の足しにするといった演出はほとんどない。音楽は場面転換を知らせるというような程度の使われ方で、緊迫した場面だろうがロマンチックな場面だろうが登場人物の台詞のみで物語は転がっていく。というのも、役者が皆演技力があり、ほとんどのシーンでアル・パチーノが出ている為だ。その結果、彼自身の色が物語全体の色となっている。しかもこの作品におけるアル・パチーノは人間味溢れる人となりであるため、描き方によっては社会派で硬質な印象になりがちなこの作品を、倫理観や情を重視した親近感の湧く作品にしている

最後の法廷シーンでアル・パチーノが見せる演技はその熱さにあっけにとられるというか、笑えてしまうというか、まさに“熱演”としかいいようがない。しかし、彼がそういう感情になっている理由は痛いほど分かるように様々なエピソードが積み重ねられている。今観ても全く色あせない作品

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