キリンジの4thアルバム
この作品は「ムラサキ☆サンセット」で幕を開ける。前作の華やかで遊び心のある音楽性を維持しているこの楽曲から順を追い聴いていくと、柔らかな歌唱と音色は変わらないが、前作とは微妙に異なった味わい深い心地よさが徐々に見えてくる。僕は前作でこのアーティストを聴くようになったので、一聴した時「地味だな」という印象を持った。しかし、今だに聴いている作品はこちらのほうだ。やはり、適度に抑制され、温度に微妙な強弱をつけた楽曲のおかげで長いスパンで聴けるということなのだろうか・・・
1998年『ペーパー・ドライヴァーズ・ミュージック』でメジャーデビューした、堀込高樹、泰行2人の兄弟ユニット、キリンジ。デビュー直後はどこかしら内向きな印象のあった彼らも、2000年のサードアルバム『3』あたりから外向きのベクトルが強く感じられるようになり、この4枚目のアルバム『Fine』では、アーティストとしてのスケール感がぐっと表に出てきたよう。aikoがコーラス参加した軽快な「雨は毛布のように」やジャジーなアレンジが心地よい「太陽とヴィーナス」など、ヒットポテンシャルの高い楽曲も多数収録する一方で、堀込高樹が意外に渋い声を聞かせる「切り花」のような新境地ものぞかせる。独特な言葉遣いも相変わらずの白眉。シンプルなアルバムタイトルに、彼らの自信が現れているようだ
この作品は「ムラサキ☆サンセット」で幕を開ける。前作の華やかで遊び心のある音楽性を維持しているこの楽曲から順を追い聴いていくと、柔らかな歌唱と音色は変わらないが、前作とは微妙に異なった味わい深い心地よさが徐々に見えてくる。僕は前作でこのアーティストを聴くようになったので、一聴した時「地味だな」という印象を持った。しかし、今だに聴いている作品はこちらのほうだ。やはり、適度に抑制され、温度に微妙な強弱をつけた楽曲のおかげで長いスパンで聴けるということなのだろうか・・・
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