漫画家、浦沢直樹の近未来SF
この作品は青年誌の割りに登場人物の年齢設定が30代と高めだった。そしてそれはすぐに40代に変わった。その後キーマンとして10代の女の子カンナを据えることで読者層とのバランスを取ったようだ。社会へ出てそれなりの場所へ落ち着いた主人公達が悪夢を払拭するために再び集うことになるというのはスティーブン・キングの「IT」を髣髴とさせる。彼らはごく普通の市井の人々であり、権力を手にした“ともだち”に敵対することで抑圧されることになる
この作者は「パイナップル・アーミー」「YAWARA!」「MASTERキートン」辺りの頃は主人公をいわゆる“ヒーロー”として描いていたが、「Happy!」以降の「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」では主人公を抑圧された位置においている。それはこの作者が持つ世代特有とも言える個の価値観がかなり道徳的なもので、現在の社会の中で存在した場合こうあるだろうといったような表現として描かれているように個人的には思える。ようするに社会的な視点の比重が大きくなったということだが。それを踏まえて市井の人々を悲しみを交えた視点から描いていき、物語に厚みを出すという独特の味を持った手法はすでに完成されている。技術的にも構成力や描写力はかなりのものになっていると思う
全く先を読ませない展開でなかなか面白い。厭世観の漂う世界観なので合わない方もいるかもしれないが
日々勢力を拡大している新興宗教が起こす事件は主人公が少年時代に描いた未来予想図がモチーフになっていた。それに気づいた主人公ケンヂは新興宗教の教祖が少年時代の仲間であることを確信し、止めるために行動を起こす。しかし、教団は個人の力ではどうすることも出来ないほど巨大化していた。少年時代の仲間たちを集め、次の予言を阻止しようとケンヂ達は奔走するが・・・
この作品は青年誌の割りに登場人物の年齢設定が30代と高めだった。そしてそれはすぐに40代に変わった。その後キーマンとして10代の女の子カンナを据えることで読者層とのバランスを取ったようだ。社会へ出てそれなりの場所へ落ち着いた主人公達が悪夢を払拭するために再び集うことになるというのはスティーブン・キングの「IT」を髣髴とさせる。彼らはごく普通の市井の人々であり、権力を手にした“ともだち”に敵対することで抑圧されることになる
この作者は「パイナップル・アーミー」「YAWARA!」「MASTERキートン」辺りの頃は主人公をいわゆる“ヒーロー”として描いていたが、「Happy!」以降の「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」では主人公を抑圧された位置においている。それはこの作者が持つ世代特有とも言える個の価値観がかなり道徳的なもので、現在の社会の中で存在した場合こうあるだろうといったような表現として描かれているように個人的には思える。ようするに社会的な視点の比重が大きくなったということだが。それを踏まえて市井の人々を悲しみを交えた視点から描いていき、物語に厚みを出すという独特の味を持った手法はすでに完成されている。技術的にも構成力や描写力はかなりのものになっていると思う
全く先を読ませない展開でなかなか面白い。厭世観の漂う世界観なので合わない方もいるかもしれないが
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