69 sixty nine
2004年12月24日 映画
村上龍原作、妻夫木聡主演作品
この作品は村上龍の原作小説がある。それを10年前に読み、個人的にあれこれとイメージを固めていたのだが、今作はそのイメージを上手に上書きするものになっている。まぁ、原作は村上龍の自伝的意味合いがあり、彼のルックスを知っていれば今作の主役が妻夫木と分かった時点で、そのギャップに「こりゃあアレだなぁ」と思いそうなモンではあるが・・・
ストーリーは原作を忠実になぞりつつストーリーに直接関わらないエピソードを上手に取捨選択していて、脚本の宮藤官九郎の手腕にうならされる。宮藤官九郎が脚本を担当した際ある独特の台詞回しというのは、時代が60年代ということもあり原作を最大限生かす方向でほとんどいじっていない。その為、原作を読んだ方ならストーリーの隙間にこぼれ落ちたエピソードを脳内補完できるし、読んだことの無い方は後で原作を読むことでイメージを壊すことなく映画の要所要所にあるべきだった様々なエピソードを知り楽しむことも出来る。そのような楽しみ方を可能にするほど原作の読者にもギャップをほとんど感じさせず十二分に納得させ、その魅力をさらに押し上げるような映像に仕上げているのは見事としか言いようがない。キャスティングも皆はまり役で、少ししか登場しない工業のマドンナでさえもイメージ通りだったことに個人的には驚いた
原作では60年代のカルチャーを結構紹介していたが、今作でも映像、音楽として登場させており、それが逆に原作の良さを再認識させることになっていて、本を読むより良さが分かりやすいと思う。主人公の父親役の柴田恭平を筆頭に脇役も手を抜いておらず、安心してみることが出来る
はっきり言って期待していなかったが、なかなか楽しめた。その上で言うが、求心力としては原作のほうが上だと思う。そして、原作を知らない方なら2度楽しめる作品に仕上がっているはず
1969年の長崎県・佐世保。高校3年生のケンは、憧れの学園のマドンナに近づきたいがために、ロックコンサートや映画、演劇を総合したフェスティバルを開くことを決意。友人のアダマやイワセらを巻き込んでいく。だがそのいきかがり上で、高校の全共闘の面々と共に高校のバリケード封鎖をすることになってしまうのだった…。主人公の行動がすべて“女のため”というのがいい。しかも69年が舞台になっているのに全然古めかしくないのもいい。妻夫木聡と安藤政信の高校生になりきった演技がいい。まさにどこを切っても“いい”づくし。全編文句ナシの小気味良い青春グラフィティに仕上がっている。たとえ時代が変わっても若者のおバカなノリは一緒。そういう意味で老若男女誰もが楽しめる傑作だ。観て絶対に損なし
この作品は村上龍の原作小説がある。それを10年前に読み、個人的にあれこれとイメージを固めていたのだが、今作はそのイメージを上手に上書きするものになっている。まぁ、原作は村上龍の自伝的意味合いがあり、彼のルックスを知っていれば今作の主役が妻夫木と分かった時点で、そのギャップに「こりゃあアレだなぁ」と思いそうなモンではあるが・・・
ストーリーは原作を忠実になぞりつつストーリーに直接関わらないエピソードを上手に取捨選択していて、脚本の宮藤官九郎の手腕にうならされる。宮藤官九郎が脚本を担当した際ある独特の台詞回しというのは、時代が60年代ということもあり原作を最大限生かす方向でほとんどいじっていない。その為、原作を読んだ方ならストーリーの隙間にこぼれ落ちたエピソードを脳内補完できるし、読んだことの無い方は後で原作を読むことでイメージを壊すことなく映画の要所要所にあるべきだった様々なエピソードを知り楽しむことも出来る。そのような楽しみ方を可能にするほど原作の読者にもギャップをほとんど感じさせず十二分に納得させ、その魅力をさらに押し上げるような映像に仕上げているのは見事としか言いようがない。キャスティングも皆はまり役で、少ししか登場しない工業のマドンナでさえもイメージ通りだったことに個人的には驚いた
原作では60年代のカルチャーを結構紹介していたが、今作でも映像、音楽として登場させており、それが逆に原作の良さを再認識させることになっていて、本を読むより良さが分かりやすいと思う。主人公の父親役の柴田恭平を筆頭に脇役も手を抜いておらず、安心してみることが出来る
はっきり言って期待していなかったが、なかなか楽しめた。その上で言うが、求心力としては原作のほうが上だと思う。そして、原作を知らない方なら2度楽しめる作品に仕上がっているはず
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