幻影博覧会

2005年2月20日 漫画
漫画家、冬目景が描く探偵モノ

探偵・松之宮、そして謎めいた助手の真夜。2人の元に舞い込む事件は…。大正を舞台に贈る冬目景のレトロゴシックロマン


探偵、松之宮の元に知り合いの紹介で真夜という女性が助手としてやってくるところから物語は始まり、仲の良い刑事からの情報により探偵事務所に事件が舞い込み解決に乗り出すという2〜3話完結のスタイルになる。これは掲載誌には読みきりの形で載っていたからだと思われる。それを編んだ作品ということで、作品を通したテーマのようなものは見受けられない

この作家独特の暖かみのある画風が、大正時代というレトロな雰囲気という設定で最大限に生かされている。意図したものか分からないが、展開や魅せ方も非常にオーソドックスというか、デジャヴに襲われる類のもので、懐かしさを感じさせる。この作品はその懐かしさや暖かみを楽しむもので、ミステリの魅力であるトリックや種明かしなどの衝撃などを期待して読むと肩透かしを食うかもしれない。人間関係の練りこみや人物の掘り下げなどは特にされておらず、非常にあっさりとした印象なので、この作家の売りである“絵”にたいした魅力を感じない方だと、面白さを感じるのに時間がかかるかもしれない。まぁ、もともとポピュラリティのある作風ではないわけだが・・・

過剰さに魅力を見出すのではなく、かといって狙ったオフビートさを出すわけでもない。その点で言うと中途半端かもしれないが、裏を返せば程好い心地よさを感じる世界観ともいえる。伏線もあれこれと張られているので、今後物語が続くことで奥深さのようなものが出ると期待

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