失踪日記

2005年4月25日 漫画
漫画家、吾妻ひでおのエッセイ漫画

全部実話です(笑)突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション!カバー裏にシークレットおまけインタビューが掲載されています。

「実体験の凄さはもちろん、絵も含めた『漫画作品』として完成度が高く本当に面白い。できるだけ多くの人に読んでほしい、傑作だと思います」とり・みき(漫画家)

多数の作品を残している漫画家吾妻ひでおが、一線から去った後どのように暮らしていたかを、ユーモアを加味して描いたエッセイ漫画。独特の牧歌的なディフォルメをされた画風が描かれている痛々しい現実を中和し、その現実の中から読んで面白いであろうと作者が感じたエピソードを中心に描いてある

作品は4つの部分に分けられている。まず漫画家という社会的立場から逃げホームレスのような暮らしをしていた時期の生活内容の披露、次に同じく職場を逃げ出しホームレスをしていたところ声をかけられ配管工として働いた時期の生活、3つ目に漫画家としての生活、最後にアルコール中毒になり入院した際のレポートという構成になっている。どれも現実的に考えるとある種の厳しさを感じる内容だが、ほのぼのとした世界観で抵抗無く読める。かといって作者がそういった人柄でないことは、巻末のとり・みきとの対談を読むとすぐに分かる。つまり、この作品はエンターテインメントを数多く描いてきた吾妻ひでおの漫画家としてのプロ意識によって自虐や自嘲を越え娯楽にまで昇華されているのだ

日常から逃げたしたいと思っているような読者の欲求を疑似体験させてくれる部分もありつつ、そうした場合のリスクをさりげなく伝えてくる。非常に面白いです。かなりおすすめ

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