NANA 13

2005年8月17日 漫画
漫画家、矢沢あいが描く恋愛モノ

シンとレイラの誕生日パーティーに招待された奈々。ノブもタクミも居る場所に行くことを躊躇するが、シンのために行く決心をする。そして、パーティーが始まり…?

映画化を控えた話題作。しかしながら、巻を追うごとに内容の劣化が激しく、ちょっとこれはついていけないんでないのかい?と突っ込みたくなる作品になってしまっている。

2人のナナと呼ばれる女性を主軸にした恋愛模様・・・というか、2人のスピリチュアルな関係性を匂わせているが、物語はどこまでも俗っぽい路線を辿り、いまやセレブとなったナナを含む友人たちとお付き合いをして、過去の青春模様を引き摺る主人公ハチの痛々しさにちょっと引いてしまう展開だ。登場人物たちも、男女の関係における優しさを描き出す為の道具に過ぎず、描き出した優しさはあまりにも感情移入できないものになっている。しかも、作者の手癖である登場人物への愛情が客観性を欠いており、もうなにがなにやら分からないですよ、という按配でして。

登場人物各々に愛情を注ぐのは分からないでもないが、物語として一本筋の通った作品にしておかないとまずいんでは無いのかと。登場人物に均等に見せ場を作っていくことで物語が散漫になってしまっているわけで。主人公であるナナとハチも恋愛至上主義者的振る舞いで、それ以外になにかしら描く部分は無いのだろうか・・・などと思っていたら、作中の登場人物に「お前の頭の中は恋愛しかねーのかよ」と言わせていたので少し救われた。

人を傷つけない為の心の機微や配慮ばかりを描いているという印象。次巻に期待。

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