漫画家、久米田康治が描く学苑物

「行け!!南国アイスホッケー部」「かってに改蔵」などを代表作に持ち、長年週刊少年サンデーにて微妙かつ独特な立ち位置をとってきたギャグマンガ家久米田 康治。その久米田康治が(噂によると)大人の事情から、新天地である週刊少年マガジンにお引っ越しして連載を開始したのが本作「さよなら絶望先生」です。

 掲載誌は変わりましたが、基本的な作風はほとんど変化はなく「かってに改蔵」を継承し、一つのネタをどんどんエスカレートさせながらギャグを展開するという形式をとっています。この作者のギャグはストーリーがどれほどバカバカしく暴走してもどこかクールというか、視点が一歩引いた感じがあって、それが独特の味になっていると思います。ニヤニヤとしながら読み進め、ところどころにツボにヒットすると笑いが止まらなくなります。オタクネタを多用するという点も、一部その筋の方々から絶賛を受けた特徴ではあるのですが、第一巻の現在では「改蔵」よりはややおとなしめかなと感じます(一般性を意識しているのかも)。

 ギャグ作品としてのある種の過激さや、前衛性をあまり感じさせない作品なので、一見地味な印象ですが、どこにでもありそうで実は見あたらないタイプのギャグ作品を書き続けている貴重な才能をぜひ味わってみてください、波長が合う人なら病みつきになるでしょう。

言いたいことは商品紹介ですべて言われているので上記を参照されたし。一話完結のギャグ漫画。

「かってに改蔵」で確立した、時事ネタをふんだんに盛り込み、ギリギリのところまで毒づきつつディフォルメされた絵柄でなんとかごまかすという芸風を今作は引き継いでいる。ネガティヴに物事を考え死を匂わせながら実際死にかけると「死んだらどーする!」とキレる、という自己愛に溢れた文豪を思い出させる主人公のキャラと、ヒロインとして配置された女子高生の電波スレスレのポジティヴさを持つというキャラ。この2人がストーリーテラーとなり、ボケたり突っ込んだりリアクションしたりしつつ、教師が担当するクラスの生徒たちに焦点を当て、一人の生徒で一話使うというエピソードが続く。

引きこもりやストーカーやバイリンガルや・・・分かりやすくキャラ付けされた生徒たちと教師のコール&レスポンスの合間にどぎつい時事ネタを織り込み、ポジティヴなヒロインが混ぜ返し教師がリアクションをとって終わる、というパターンを踏襲している。それらをすべてギャグに昇華している部分は流石と思ったが、これネタが続かないだろう・・・という思いも同時に抱かせる作品。生徒の紹介が終わった後、生徒同士をどこまで絡ませられるか・・・。

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