クピドの悪戯 4

2005年10月1日 漫画
漫画家、北崎拓が描く恋愛モノ

若者の苦悩と、喜びと、ごちゃごちゃの心の中を描く、ありえないMY LOVEストーリー。恋の神様(Cupid)が悪戯心で選んだ男女に起こるオムニバス・ドラマ第1弾「虹玉」

7回射精するとその後一生射精できなくなるという病気、「虹玉」。その病気におかされた主人公が、恋愛に巻き込まれ右往左往するという話になっている。幼馴染の桐生と取引先の女性・怜子の間を行ったり来たりしつつ、物語は進んでいく。

この巻では、桐生の主人公への想いが表面化する。桐生自身報われない恋愛をしており、慰めとして主人公へコナをかけていたが、主人公の“1人の人間として”大切にする振る舞いと、長い付き合いゆえの友情によって、桐生は主人公への思いいれが大きくなっていく。しかし、主人公は怜子との恋愛を成就することだけを念頭においていて、桐生の気持ちには気づかない。そして怜子は桐生の主人公に対する気持ちに気づき嫉妬を感じ、主人公をつなぎとめようとする。そういった心の機微に気づくほど主人公に余裕は無く、自分がインポテンツになる前に恋愛を成就しようと焦るのみだ。

この作家の絵柄と表現力によって、コミカルになりがちな内容ながらも切なさと痛々しさを十二分に感じさせる内容になっている。フィクショナルな設定が無かったらごく普通の良質な恋愛モノになっていたはず。主人公に感情移入して三角関係を疑似体験するもよし、俯瞰して作者の表現力を味わうのもよし、という。ファンタジー的路線を踏襲するという意味合いのようで、このエピソードはあっさりと終わりそうな予感。なんだかもったいないような気持ちもあるんだが。

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