漫画家、芳崎せいむが描くハートウォーミングストーリー
実在する漫画を一つピックアップし、日常における漫画の在り方を描く作品。漫画の持つ力を強く肯定するような内容になっている。
漫画なら何でも揃う古書店、「金魚屋」。今日も今日とて胸に何かを秘めた人々が訪れ、意中の作品を手に入れている。外観はこじんまりとした平屋ながら広大な地下倉庫を持つ金魚屋に揃わない品はないのだ。
この手の作品だと、古書店の店主がキーマンとなりゲストキャラの悩みなどを漫画で解消するというような話になりがちだが、この作品はそういう安易なところに着地しておらず、「漫画」が持つ魅力を発揮させるという大きなくくりで物語を編んでいる。まぁ言い換えれば、漫画が関わっていれば万事OKというノリも垣間見えるが、金魚屋はあくまで脇役であり、毎回様変わりする主人公たちと漫画の橋渡しをする役割を担っているのみだ。
この巻でも様々な人々が登場しあれこれと動き回るが、漫画が持つ“夢”の部分を人生の中で必要としている状態である、という点は一貫している。作品自体読後感は暖かく親密な気分を味わえるようになっている。巻末に、登場した実在の漫画の詳細を記載しているので、実際に手にとってみるのもありかと。
『金魚屋古書店出納帳』を改題したものかと思ってたら、これ、違ってたんだねー。古漫画専門店「金魚屋古書店」を舞台に、店長代理の菜月さん、まんがバカのイケメン、斯波さん、セドリ稼業のトメさんとあゆさんといった面々が出てきて、漫画が取り持つ縁や思い出、漫画が人に与えるパワーが語られるコンセプトに変わりはないんすけどね。いやー、『出納帳』とは別物だったとは。最近それを知って、あわてて購入した次第です、はい。漫画マニアではない私だけど、この「金魚屋古書店」のシリーズを読むと、漫画っていいよな、漫画でしか味わえない楽しさ、面白さってあるもんなって、つくづくそう思えてくる。昔夢中にさせられた漫画たちのこと、時間が経つのも忘れて読み耽ったことなんかを思い出して、なんかしみじみしてしまうんだなあ。第2巻には、「彼の風景」「ありかなしか」「窓のむこう」「紙の束」「父再び」「1%の漢(おとこ)」「星の旅人」の八話が収録されてます。話の中で取り上げられている漫画では、手塚治虫と松本零士のシリーズしか読んでないけど、読んでた時の至福のひとときが甦ってきてなつかしい気持ちになりました
実在する漫画を一つピックアップし、日常における漫画の在り方を描く作品。漫画の持つ力を強く肯定するような内容になっている。
漫画なら何でも揃う古書店、「金魚屋」。今日も今日とて胸に何かを秘めた人々が訪れ、意中の作品を手に入れている。外観はこじんまりとした平屋ながら広大な地下倉庫を持つ金魚屋に揃わない品はないのだ。
この手の作品だと、古書店の店主がキーマンとなりゲストキャラの悩みなどを漫画で解消するというような話になりがちだが、この作品はそういう安易なところに着地しておらず、「漫画」が持つ魅力を発揮させるという大きなくくりで物語を編んでいる。まぁ言い換えれば、漫画が関わっていれば万事OKというノリも垣間見えるが、金魚屋はあくまで脇役であり、毎回様変わりする主人公たちと漫画の橋渡しをする役割を担っているのみだ。
この巻でも様々な人々が登場しあれこれと動き回るが、漫画が持つ“夢”の部分を人生の中で必要としている状態である、という点は一貫している。作品自体読後感は暖かく親密な気分を味わえるようになっている。巻末に、登場した実在の漫画の詳細を記載しているので、実際に手にとってみるのもありかと。
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