夜回り先生

2005年10月23日 漫画
漫画家、土田世紀が描く「夜回り先生」

不登校、ドラッグ、リストカット…。闇に飲み込まれていく子供たちを、哀しい目で、優しい目で、見守り続ける教師がいる。全国が涙した感動ドキュメント、ここに初の完全漫画化!「夜回り先生」と呼ばれる夜間高校教師・水谷修が、夜の闇に飲み込まれそうな少年たちの更生に尽力する感動ドキュメント第1集。各話(第0話を除く)ごとに「夜回りコラム『いいんだよ』」も収録。

歌舞伎町を中心に活動し、行き場が無く夜の街で過ごす子供たちを指導するという「夜回り先生」。この実在する人物をモチーフにした作品が今作となる。数話完結のエピソードを編み、“夜の世界”から“昼の世界”へ行きたいと渇望しながらも叶わない子供たちに道を示す役割を担う夜回り先生の奮闘を描く。

この作品は基本的にノンフィクションである為、夢を抱けるヒーローとして夜回り先生は描かれていない。手を差し伸べつつも現実の重たさに繋いだ手がほどけてしまい、結果的に彼らが道を踏み外していく様を描いている。この巻では最終的に“死”を迎える子供たちが多く、一度心を通わせながらも彼らを救えなかった無力感をかみしめながら、それでも子供たちを救おうと連日の“夜回り”をする夜回り先生の姿を描き出す。作者の手癖でもある世の中のどうしようもないやるせなさを描き出す作風はこの作品において遺憾なく発揮されており、夜回り先生本人である水谷修の肉声も収録してあることもあって、涙無しには読めない作品になっている。

漫画化されたことで、一応感動モノという娯楽としても成立するように構成されているが、こちらに訴えかけるなにがしかのメッセージは感じ取れる作品に仕上がっているはず。

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