漫画家、木尾士目が描く「四年生」の続編。
就職先を見つけ、ヒロインと将来の夢について語りすがすがしく終わった「四年生」。ところが大学の単位が足りなく“五年生”をやる羽目に。社会人となったヒロインと、モチベーションがた落ち気味である大学五年生の主人公が織り成すドラマ。
主に主人公の留年模様を描いているが、大学生活の“喜”と“楽”の部分はほぼ楽しみつくし、初々しさも無く何をするにもデジャヴを感じてしまうだらけた日常を描いている。それゆえの余裕のようなものも感じ取れるが、足踏みしていることでの脱力感のようなものは痛いほど伝わってくる。
この作品には「リアル恋愛論」という煽り文句がついているが、恋愛に絞った話では無いような。大学5年生の1年間に様々な登場人物たちが、現実に即した考え方や気遣いや社会規範や・・・そういったものを踏まえてあれこれと動き回る話でしかない。漫画で描かれないディフォルメされがちな、あるいは美化されがちな痛みの部分をストレートに描いてあるとは思う。漫画という媒体において、こういったどこまでも現実的で処世へのヒントになるようなアプローチをする意義は痛感できるが、そのアプローチは果たして本当に現実的なのか?シリアスに描くことで現実的にとれるよう描いてあるだけではないのか?などと疑問も残るわけでして。主人公だけが超然と、あるいは淡々と暮らし、周りの人物たちに過剰さを振り分けてある点もなんだかなぁという印象。
上辺だけをとってみれば、一度疎遠になったカップルがくっついて、社会で奮闘するというだけの話でしかない。ただ、会話の応酬に相手の心理を読むような含蓄のある言葉を選んでいるため、言葉にそれなりの重みがあり読み応えのある作品になっていると思う。まぁ・・・昼メロという印象も抜けないわけだが。
主人公の留年模様を面白おかしく情けなく描いた作品ではないかという先入観があったので、意外なシリアスさに少々引いてしまった作品。しかし、読む価値はそれなりにあるかと。
就職も決まり、後は卒業を待つだけ……。そんな平和な日々が、一瞬にして崩れ去った。『四年生』の明夫と芳乃(よしの)が学生と社会人に別れ、微妙に変わってくるふたりの関係。ライブ感覚恋愛論、新章の始まりです。
就職先を見つけ、ヒロインと将来の夢について語りすがすがしく終わった「四年生」。ところが大学の単位が足りなく“五年生”をやる羽目に。社会人となったヒロインと、モチベーションがた落ち気味である大学五年生の主人公が織り成すドラマ。
主に主人公の留年模様を描いているが、大学生活の“喜”と“楽”の部分はほぼ楽しみつくし、初々しさも無く何をするにもデジャヴを感じてしまうだらけた日常を描いている。それゆえの余裕のようなものも感じ取れるが、足踏みしていることでの脱力感のようなものは痛いほど伝わってくる。
この作品には「リアル恋愛論」という煽り文句がついているが、恋愛に絞った話では無いような。大学5年生の1年間に様々な登場人物たちが、現実に即した考え方や気遣いや社会規範や・・・そういったものを踏まえてあれこれと動き回る話でしかない。漫画で描かれないディフォルメされがちな、あるいは美化されがちな痛みの部分をストレートに描いてあるとは思う。漫画という媒体において、こういったどこまでも現実的で処世へのヒントになるようなアプローチをする意義は痛感できるが、そのアプローチは果たして本当に現実的なのか?シリアスに描くことで現実的にとれるよう描いてあるだけではないのか?などと疑問も残るわけでして。主人公だけが超然と、あるいは淡々と暮らし、周りの人物たちに過剰さを振り分けてある点もなんだかなぁという印象。
上辺だけをとってみれば、一度疎遠になったカップルがくっついて、社会で奮闘するというだけの話でしかない。ただ、会話の応酬に相手の心理を読むような含蓄のある言葉を選んでいるため、言葉にそれなりの重みがあり読み応えのある作品になっていると思う。まぁ・・・昼メロという印象も抜けないわけだが。
主人公の留年模様を面白おかしく情けなく描いた作品ではないかという先入観があったので、意外なシリアスさに少々引いてしまった作品。しかし、読む価値はそれなりにあるかと。
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