魍魎の匣

2004年6月19日 読書
妖怪作家、京極夏彦の人気シリーズ

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾

デビューからわずか2作目の作品だが、個人的にはこの作品が現時点で最高傑作。前作では語り部となる関口巽の私小説という意味合いが強かったし、その後活躍する登場人物も紹介程度の扱いだったように思う。この作品で各々の登場人物の芸風も固まったし、その持ち味を生かしたとぼけた掛け合い漫才と,おそらくこの作品での主役といえる木場の真摯な姿勢、それを包括する猟奇的なテーマ、緩急のついた展開と、見所は多いし登場人物の描写も上手くメリハリも利いている。この後の作品になると徐々に作品ごとの登場人物を絡ませて行くので変に予備知識があると少しくどく感じてしまうんだが・・・

この作品が出た頃京極夏彦は早い刊行ペースで次々と作品を世に出していて、この量とクオリティを維持できるのに驚いたもんだ。今は・・・何故か妖怪シリーズ以外の作品にご執心らしいが。南総里見八犬伝をリメイクするという噂があるが、もし本当なら妖怪シリーズより興味があるんで何年でも待ちます

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