解体諸因

2004年6月21日 読書
毎回物凄いというか奇妙というか、一風変わった設定を打ち出してくるミステリ作家、西澤保彦の作品

すべての謎は死体から始まった
6つの箱に分けられた男。7つの首が順繰りにすげ替えられた連続殺人。エレベーターで16秒間に解体されたOL。34個に切り刻まれた主婦。トリックのかぎりを尽くした9つのバラバラ殺人事件にニューヒーロー・匠千暁(たくみちあき)が挑む傑作短編集。新本格推理に大きな衝撃を与えた西澤ミステリー

この作家の代表的なシリーズと呼べる、「匠千暁シリーズ」。主人公はビールが死ぬほど好きなぼんやりとした大学生で、この手の作品にありがちなストーリーテラーとしての利発なヒロインとタッグを組んで事件解決に当たるというもの

この作品の主人公は個人的には非常にリアリティがあって、マッチョでもなく切れ者でもなくエキセントリックでもなく尊大でもないごくごく普通の大学生が推理するところに妙味がある。男性の立場から見た主人公の俗っぽさと推理以外の凡庸さは本筋以外の普通の学園物として見た場合妙に80年代的で、それもなかなか趣がある・・・気がする

まぁなんにせよ人気シリーズでいくつも単行本になっているので手に取りやすいとは思う。ミステリに慣れた方ならミステリの“型”の微妙なはずし具合の妙が分かるかと思われ

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