チャン・イーモウ監督作品、ジェット・リー主演
この作品は香港映画ではなく中国映画として製作され、巨額の資本投下による豪華で華麗な映像と、監督自身の資質による静と動、そして“間”を重視した格調高い作品になっている
ジェット・リー演ずる無名が皇帝に謁見し、ここへ来るまでに至ったエピソードを語っていくが、ジェット・リーは虚偽の事実を述べており、皇帝の疑問を機に都合4度エピソードが語られる。それぞれ、赤、青、白、緑という“色”で区分けされ、無名が語る彼らの人物像が、最初の感情のみの俗なものから、エピソードを重ねるにつれ徐々に崇高になっていくのは秀逸だ。そして、各々の緩やかで優雅な“美”と呼べるほどの鮮やかな映像とアクションシーンにより、この作品全体の“品”が非常に良くなっている。テーマ的に政治色が強くなったり史実などの考証を重視することなりがちな演出を上手く回避しており、最後の無名の意志には感動すること請け合いだ
共感するというより、映像やテーマに圧倒される作品になっていると思う
秦王のもとに、王を狙った刺客を3人殺したという無名という男が現れた。その功績を讃え、特別に謁見を許された彼は、刺客を殺した経緯を王に語りはじめる。しかし、それは多くの謎を含み、話は二転三転していく…。『あの子を探して』『初恋が来た道』などのチャン・イーモウ監督が、中国の大スター、ジェット・リー、マギー・チャン、トニー・レオン、チャン・ツィイーを起用して作り上げた歴史ロマン。ワイヤーを多用したアクションシーンは華麗で、まるでバレエを見るようだ。また交錯するいくつかのエピソードの果てに存在する真実、そして衝撃のラストには胸を震わせる感動がある。崇高な精神を持ち、その目的を達成した主人公に敬意さえ抱かせる仕上がりは、さすがチャン・イーモウと言えるだろう。撮影は『ブエノスアイレス』などのクリストファー・ドイル。衣装は『乱』のワダエミが担当。エピソードごとに赤、青、緑と色調を変えたヴィジュアルも一見の価値あり
この作品は香港映画ではなく中国映画として製作され、巨額の資本投下による豪華で華麗な映像と、監督自身の資質による静と動、そして“間”を重視した格調高い作品になっている
ジェット・リー演ずる無名が皇帝に謁見し、ここへ来るまでに至ったエピソードを語っていくが、ジェット・リーは虚偽の事実を述べており、皇帝の疑問を機に都合4度エピソードが語られる。それぞれ、赤、青、白、緑という“色”で区分けされ、無名が語る彼らの人物像が、最初の感情のみの俗なものから、エピソードを重ねるにつれ徐々に崇高になっていくのは秀逸だ。そして、各々の緩やかで優雅な“美”と呼べるほどの鮮やかな映像とアクションシーンにより、この作品全体の“品”が非常に良くなっている。テーマ的に政治色が強くなったり史実などの考証を重視することなりがちな演出を上手く回避しており、最後の無名の意志には感動すること請け合いだ
共感するというより、映像やテーマに圧倒される作品になっていると思う
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