ホテル・ハイビスカス
2005年1月14日 映画
「ナビィの恋」の中江裕司監督作品
主人公の美恵子を中心に、クセのある家族の日常を切り取るといった印象の作品。今までは離島を舞台にして沖縄の魅力を描いてきた監督が、沖縄の辺野古を舞台に沖縄に住む人々の等身大の日常を描き出す。米軍を相手にした商売の結果奇妙にアメリカナイズされた街並みを舞台に基地の存在を日常に落とし込み、より沖縄の赤裸々で常温の日常に踏み込んでいる。ナビィの恋はその部分において牧歌的だったが、この作品では沖縄が戦争の結果軍を受け入れた傷跡が当然のように日常に垣間見える。そういった意味合いで今作は沖縄の“たくましさ”に焦点を絞っているようだ
ただ、内容的にそれが面白いかといわれれば微妙だと言うしかない。おそらくこの作品で描かれ魅力とされているたくましさや日常にリアリティと既視感がありすぎて、沖縄で過ごす僕にとっては「わざわざ映画にしなくてもいいのではないか」と思ってしまうからだ。普通に生活していれば映画と同じような状況や話は結構転がっているわけで
「ナビィの恋」のメインキャスト達はこの作品でも様々な形で登場している。ボクシングジムの利用者である村上淳や、美恵子の学校の教師役の西田尚美、美恵子のおばあ役の平良とみ、美恵子が出会うキジムナーを飼っているというタンメー(おじい)役の登川誠仁。因みに今回もエンディングテーマは登川誠仁で、作中で弾き語るシーンもある
個人的には「ナビィの恋」のほうが良かったが、元気になれる作品ではあると思う。そして、日々にかまけてつい忘れがちな基地と沖縄の共生関係とウチナーンチュのたくましさとほがらかさを思い出させてくれる。もしかしたら、監督は沖縄の人へ向けてこの作品を作ったのかもしれない
沖縄でホテルを営む一家の娘、小学3年生の美恵子(蔵下穂波)は、元気いっぱいの女の子。にいにいは黒人とのハーフ、ねえねえは白人とのハーフと、家族構成もインターナショナル? そして美恵子は、森の精霊キジムナーを探すべく、冒険を続けていく。『ナビイの恋』で知られる沖縄在住の中江裕司監督が、仲宗根みいこの同名コミックを原作に描くファンタジックな沖縄キッズムービー。元気印いっぱいで時にやかましいほど(!?)の少女の冒険の数々は、どこか懐かしくて切ない。またファンタジーの中に沖縄の基地問題や戦争の傷跡といった社会問題をそこはかとなく盛り込んでいるあたり、実に奥の深い仕上がりである
主人公の美恵子を中心に、クセのある家族の日常を切り取るといった印象の作品。今までは離島を舞台にして沖縄の魅力を描いてきた監督が、沖縄の辺野古を舞台に沖縄に住む人々の等身大の日常を描き出す。米軍を相手にした商売の結果奇妙にアメリカナイズされた街並みを舞台に基地の存在を日常に落とし込み、より沖縄の赤裸々で常温の日常に踏み込んでいる。ナビィの恋はその部分において牧歌的だったが、この作品では沖縄が戦争の結果軍を受け入れた傷跡が当然のように日常に垣間見える。そういった意味合いで今作は沖縄の“たくましさ”に焦点を絞っているようだ
ただ、内容的にそれが面白いかといわれれば微妙だと言うしかない。おそらくこの作品で描かれ魅力とされているたくましさや日常にリアリティと既視感がありすぎて、沖縄で過ごす僕にとっては「わざわざ映画にしなくてもいいのではないか」と思ってしまうからだ。普通に生活していれば映画と同じような状況や話は結構転がっているわけで
「ナビィの恋」のメインキャスト達はこの作品でも様々な形で登場している。ボクシングジムの利用者である村上淳や、美恵子の学校の教師役の西田尚美、美恵子のおばあ役の平良とみ、美恵子が出会うキジムナーを飼っているというタンメー(おじい)役の登川誠仁。因みに今回もエンディングテーマは登川誠仁で、作中で弾き語るシーンもある
個人的には「ナビィの恋」のほうが良かったが、元気になれる作品ではあると思う。そして、日々にかまけてつい忘れがちな基地と沖縄の共生関係とウチナーンチュのたくましさとほがらかさを思い出させてくれる。もしかしたら、監督は沖縄の人へ向けてこの作品を作ったのかもしれない
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