Finally We Are No One
2005年3月22日 音楽
Mumのアルバム
最近あまり噂を聞かなくなったMumの代表作。ジャンルとしてはエレクトロニカということになるらしい。一聴しただけでは、あまりにも穏やかで静謐な作品世界の提示に戸惑うかもしれない。様々な音は散漫にならずに強固で寓話的な世界観を作り上げており、ゆるやかでありながら心に響く。とまぁ、シリアスな評価をどうしてもしてしまう作品ではある。女の子がささやくように歌う「Green Grass Of Tunnel」という楽曲の持つ求心力はかなりのもので、強い力で精神を安定させてくれる。作品を通して叙情性がとても強いので、一つの物語を読んでいるような感覚をくれるはず。アンビエントに寄った細野晴臣が自分のコンピレーションで参加を要請したのも頷けるというか。おすすめ
ムームが住むのはうっとりするような世界だ。はるかなアイスランドの灯台を思わせるエレクトロニックな本作は、不思議で神秘的な子ども時代のおぼろげな記憶をよみがえらせてくれる。彼らはボーズ・オブ・カナダや同郷のビョークにもたとえられる。しかし、2000年の素晴らしいデビュー作『Yesterday Was Dramatic, Today Is OK』と同じく本作でもムームの作り出す音楽はあまりにもオリジナルすぎてジャンル分けしにくい。そのサウンドは、アナログのキーボードがハミングする側らで、ミュートしたデジタル音と「ぴったりの」楽器(アコーディオン、チェロ、メロディカ)がときどき顔をのぞかせる。アルバム全体の印象としてはモダンなフォーク・ミュージックのようだ。物静かで、ほとんど現実離れしているが、この4人組(うちふたりは、ベル&セバスチャンの『Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant』のジャケットに登場する双子の姉妹)は決して上品な環境音楽を作り出しているわけではない。むしろ全11曲は生き生きとした夢をつづった日記の数ページを抜き出したかのような音楽である。なかでも叙情的な子守唄「The Land Between Solar Systems」で、ギーザとクリスティンの姉妹が独特のあどけない声で歌うときにはそう感じられる。本作を聴いたリスナーは、今ではすっかり忘れてしまった幼いころのおぼろげな思い出が懐かしくてたまらなくなるはずだ
最近あまり噂を聞かなくなったMumの代表作。ジャンルとしてはエレクトロニカということになるらしい。一聴しただけでは、あまりにも穏やかで静謐な作品世界の提示に戸惑うかもしれない。様々な音は散漫にならずに強固で寓話的な世界観を作り上げており、ゆるやかでありながら心に響く。とまぁ、シリアスな評価をどうしてもしてしまう作品ではある。女の子がささやくように歌う「Green Grass Of Tunnel」という楽曲の持つ求心力はかなりのもので、強い力で精神を安定させてくれる。作品を通して叙情性がとても強いので、一つの物語を読んでいるような感覚をくれるはず。アンビエントに寄った細野晴臣が自分のコンピレーションで参加を要請したのも頷けるというか。おすすめ
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