大滝詠一の作品

伝説のロックバンドはっぴいえんどに在籍していた大滝。その後1970年代を通して数多くのソロアルバムを発表するも、音楽的な実りの豊かさとは裏腹に商業的な成功を手にすることはできなかった 。そんな不遇の時代を経た彼が、そのマニアックともいえるアメリカン・ポップスへの深い知識をわかりやすく結晶化させた作品が『A LONG VACATION』である。それまでの日本にはなかったドライでクールな情感を漂わせるメロディ、精密に構築されたカラフルな音作り、松本隆の手によるファッショナブルな歌詞が生みだすサウンドイメージは、当時の音楽シーンに大きな衝撃を与えるとともに、ベストセラーとなった。「ジャパニーズ・ポップスの最高峰」と評されることも多い傑作。永井博によるジャケットも秀逸だ

この作品は聴いてみると音がかなり立体的に構築されている。何回かリマスタリングを重ねているこの作品だが、音に非常にこだわりを持ち、アーティスト自身の手で作業を行ったらしい。この作品しか聴いていないが、単に音が古臭く聴こえないようにとの配慮だけではなく、よりクオリティの高い作品として完成度を高めるという志でリマスタリングを行っていたようだ

名盤認定されている作品だが、一聴しただけでもそれなりに良さは分かる。単純にアーティスト自身の声質が良いということと、細かく作りこんでいる音は感覚的に聴いて心地よいことを前提にしてあるからだ。予備知識を持つ層にも訴えかける作品でありながら、一般的な魅力に重きを置いているというか。「ちょっと風化しすぎでは・・・?」と思う楽曲もちらほらあるが、とりあえず「君は天然色」が名曲過ぎるのでOKではないかと

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索