漫画家、西森博之が描く青春モノ
ヤンキー讃歌の「今日から俺は!」を代表作にする作者の新作。一貫して学苑物=青春モノを描き続けている作者が、少々トリッキーな設定を使い、新たな物語を紡ぎだす。
アメリカのネイティヴ・アメリカンと共に過ごし、その風習を叩き込まれつつも親の意向で偏った日本人観を植えつけられた高校生・道士郎が日本の高校へ転入してくるところから物語は始まる。古来からの道徳・慣習を叩き込まれ、着物とちょんまげのいでたちで“武士道”を志す道士郎が、平凡で小市民である主人公と出会い、彼に忠義を誓う。彼の古臭すぎて逆に新鮮な道徳的価値観によって、弱肉強食的なヒエラルキーが次々と塗り替えられていく。主人公は彼をコントロールする役割を押し付けられ、その結果彼自身も人間的に成長していく。
設定こそ荒唐無稽でリアリティを度外視しているものの、語られる内容は極めて普遍的だ。日和見主義で日々をしのぐ主人公に感情移入してカタルシスを得るという逃避的楽しみ方をすることをまず第一に描いてはあるが、それ以外にも、昨今のこの作者の傾向である、グレた人間が道徳的な人間らしさに触れ心を打たれたときに見せる表情、そういうものを今回も変わらずに描いていっている。「人間は捨てたもんじゃないんだよ」というメッセージと取るのは気恥ずかしいが、それをあくまでギャグのオブラートにつつんで差し出してくれるので、それを受け取るこちら側はヘラヘラと笑いながらも地味な感動がある。大笑いできてなおかつ暖かな気持ちになれる作品に仕上がっている。
ネバダ州から本物の“武士”がやってきた! 3歳から12年間をアメリカで過ごした青年・桐柳道士郎が、ナゼか羽織袴姿で故国に見参 現代ニッポンの高校に時代の風を巻き起こす!!
ヤンキー讃歌の「今日から俺は!」を代表作にする作者の新作。一貫して学苑物=青春モノを描き続けている作者が、少々トリッキーな設定を使い、新たな物語を紡ぎだす。
アメリカのネイティヴ・アメリカンと共に過ごし、その風習を叩き込まれつつも親の意向で偏った日本人観を植えつけられた高校生・道士郎が日本の高校へ転入してくるところから物語は始まる。古来からの道徳・慣習を叩き込まれ、着物とちょんまげのいでたちで“武士道”を志す道士郎が、平凡で小市民である主人公と出会い、彼に忠義を誓う。彼の古臭すぎて逆に新鮮な道徳的価値観によって、弱肉強食的なヒエラルキーが次々と塗り替えられていく。主人公は彼をコントロールする役割を押し付けられ、その結果彼自身も人間的に成長していく。
設定こそ荒唐無稽でリアリティを度外視しているものの、語られる内容は極めて普遍的だ。日和見主義で日々をしのぐ主人公に感情移入してカタルシスを得るという逃避的楽しみ方をすることをまず第一に描いてはあるが、それ以外にも、昨今のこの作者の傾向である、グレた人間が道徳的な人間らしさに触れ心を打たれたときに見せる表情、そういうものを今回も変わらずに描いていっている。「人間は捨てたもんじゃないんだよ」というメッセージと取るのは気恥ずかしいが、それをあくまでギャグのオブラートにつつんで差し出してくれるので、それを受け取るこちら側はヘラヘラと笑いながらも地味な感動がある。大笑いできてなおかつ暖かな気持ちになれる作品に仕上がっている。
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