おおきく振りかぶって 5
2005年12月10日 漫画
漫画家、ひぐちアサが描く高校野球。
気弱でコミュ不全気味だが制球力が抜群である投手・三橋(みはし)を主人公に据えた高校野球マンガ。
今年新設されたばかりの野球部はメンバーが一年生のみながらそれゆえに結束力も高まり、フィジカルだけでなくメンタルな部分でのトレーニングを導入し着実に実力をつけていく。そしてついに大会が始まることになる。
この巻はほぼすべて試合のシーンになっている。新設校という事で選手のデータがないものの、桐青は西浦を通過点として軽く観ていることもあって“戦略”を無視した実力のみでねじふせようとする。西浦はそれを逆手に取り、優勝候補という事でデータの出しつくされた相手に綿密で勢いのある戦略をたて挑んでいく。
日常を描く際は主人公である三橋の視点が中心になるが、試合においてはあくまで選手の1人として扱うのだろう・・・と思っていたが、今回も三橋の主観から観た試合の模様にページを割いている。本来なら取るに足らない小さな喜びを少しずつかみしめる様が描かれる。一応この作品は、一度完全に精神的に潰された三橋が回復していくあるいは自信を取り戻していくというテーマがあるようなので、そういった描写も必要かと。また、その視点から観る高校野球というものは多少新鮮味があるわけで。
試合の内容は相変わらず。選手の思考が交錯し、相手の考えをいかに読んで裏をかくか、というような展開になっている。監督ではなく選手自身がそれを行う・・・つまり試合を組み立てるという部分で、主役はあくまで試合に参加する選手である、と分かるようになっている。その辺りは「ラストイニング」と違うが、あの作品が時折“頭脳と手足”という風に見えてしまい、その“頭脳”を世慣れた大人がこなしているという味気なさを感じるのに対し、この作品はあくまでも高校生の能力=輝きという視点から描き出しているような。
確実に格上の桐青を相手にしつつも1回戦で負けてしまうようなリアリティ溢れる展開にする作風でもないかと。つまり、“どう勝つか”という部分を魅せてくれるのだろう、と期待。
全国高等学校野球選手権埼玉大会開幕!西浦高校野球部の初めての公式戦が始まった。気後れなし、緊張なし、強豪・桐青(とうせい)相手に西浦ナインも最高のコンディション、語り継がれる名試合、暑くて長いゲームが始まる!
気弱でコミュ不全気味だが制球力が抜群である投手・三橋(みはし)を主人公に据えた高校野球マンガ。
今年新設されたばかりの野球部はメンバーが一年生のみながらそれゆえに結束力も高まり、フィジカルだけでなくメンタルな部分でのトレーニングを導入し着実に実力をつけていく。そしてついに大会が始まることになる。
この巻はほぼすべて試合のシーンになっている。新設校という事で選手のデータがないものの、桐青は西浦を通過点として軽く観ていることもあって“戦略”を無視した実力のみでねじふせようとする。西浦はそれを逆手に取り、優勝候補という事でデータの出しつくされた相手に綿密で勢いのある戦略をたて挑んでいく。
日常を描く際は主人公である三橋の視点が中心になるが、試合においてはあくまで選手の1人として扱うのだろう・・・と思っていたが、今回も三橋の主観から観た試合の模様にページを割いている。本来なら取るに足らない小さな喜びを少しずつかみしめる様が描かれる。一応この作品は、一度完全に精神的に潰された三橋が回復していくあるいは自信を取り戻していくというテーマがあるようなので、そういった描写も必要かと。また、その視点から観る高校野球というものは多少新鮮味があるわけで。
試合の内容は相変わらず。選手の思考が交錯し、相手の考えをいかに読んで裏をかくか、というような展開になっている。監督ではなく選手自身がそれを行う・・・つまり試合を組み立てるという部分で、主役はあくまで試合に参加する選手である、と分かるようになっている。その辺りは「ラストイニング」と違うが、あの作品が時折“頭脳と手足”という風に見えてしまい、その“頭脳”を世慣れた大人がこなしているという味気なさを感じるのに対し、この作品はあくまでも高校生の能力=輝きという視点から描き出しているような。
確実に格上の桐青を相手にしつつも1回戦で負けてしまうようなリアリティ溢れる展開にする作風でもないかと。つまり、“どう勝つか”という部分を魅せてくれるのだろう、と期待。
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