クロスゲーム

2006年1月28日 漫画
漫画家、あだち充の新作

幼なじみは四姉妹!? スポーツ用品店の息子・樹多村光と、バッティングセンター&喫茶店「クローバー」の娘たちが繰り広げる、爽やかで少しせつない青春野球ストーリー!!

最近立て続けに自作が映像化されているあだち充の新作。「H2」「タッチ」と野球を題材にした作品が映像化されたのを受けてなのか、今作も野球漫画になっている。因みに水泳を題材にしたラブコメ「ラフ」もドラマ化されるらしい。

主人公の小学生・光(こう)はスポーツ用品店の1人息子。バッティングセンターと喫茶店を営む家庭と家族ぐるみの付き合いをしている。同級生である次女は主人公への好意を隠さず戸惑いながらも付き合いのようなものを続けていた。しかし彼女は事故で急逝してしまう。亡くなる前に交わした約束とも呼べない一方的な期待の言葉を忘れられずに月日は流れて行き・・・。

今までの作品にあったどこか読者を突き放したような距離感、オフビートなシチュエーションの妙で笑わせるユーモア、手塚治虫のスターシステム的・・・似たような人物が似たような事をするというデジャヴあるいはマンネリを徹底することによる安定感、そういったものがこの作家の魅力ではないかなぁなどと思っていたが、今作はその中での“距離感”という部分が過去の作品とかなり異なってるような印象を受けた。取りようによってはベタとも思える展開をあえて導入していて、それが画風である淡々とした描写と絡むとなぜか魅力的に見えてくるのだ。

絵柄を変えず同じ題材(青春モノ)を扱うことで時代ごとの空気や理想のようなものを提示している、そんな風に思えていたが(虹色とうがらしは別として)、この親密な味はちょっと意外というかなんというか。なんだか傑作の予感がひしひしと。

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