ハゴロモ

2004年6月19日 読書
よしもとばななの書き下ろし中編小説

東京での八年続いた愛人生活が終わりを迎え、雪降るふるさとに帰ったほたる。そこで彼女を待ち受けていたのは、変わらない川の流れと懐かしくも愛しい人々の優しさだった。失ったもの、忘れていた大切なものを彼女はゆっくりととりもどしていく。特別で平凡な「癒し」を描いた静かな回復の物語

近年のよしもとばなな・・・というより個人的には全作品の中でこの作品が一番良い。少女趣味に走りすぎなく、以前から作者がテーマにしてきたオカルトや近親相姦、恋愛といった要素もほとんどなく、作者自身もかなり客観的に物語を描いているように思える。過剰な表現といったものはないし、一連の要素を除いた上で日常を描き、なにより「回復」というテーマを描いたのは意図は違うところにあったのかもしれないが結果的に彼女の作風を最大限に生かしたといえるのではないだろうか

読んで心の温まる作品だと思うし、事実何度も読み返している作品

Live in Japan

2004年6月19日 音楽
Double Famousのライブアルバム

EGO・WRAPPIN’の中納良恵、畠山美由紀、Leyonaの3人の歌姫がゲスト参加。ライヴ音源も多数収録した、音楽ドキュメンタリー的作品

基本的にはダブル・フェイマスのライブ・アルバムという体裁を取っているが、ヴォーカルを差し替えた新録もあり、なによりアルバムの多国籍な趣が素晴らしい。ゲストヴォーカルも皆それぞれの良さを最大限に引き出されているし、インスト曲も祝祭的な曲展開で非常に華やかだ。往年の有名な曲のカヴァーも多く、中納良恵の歌う「Calypso Cha Cha Cha」や、コーネリアスのPointというアルバムでもフィーチャリングされていた名曲「Brazil」など聴き所が多い。なかでも個人的にはやはり畠山美由紀の歌う「Two Ladies in de Shade of de Banana Tree 」が素晴らしかった。彼女のソロでは聴いたことの無い陽気でちょっと馬鹿っぽく楽しげな雰囲気が単純に格好いい

既存のダブルフェイマスは一応アルバムは揃えているし何度か聴いたんだがいくぶん敷居が高いというか、とっつきにくい気がする。しかし、このアルバムは現在のチャート系の音楽とはかけ離れた音楽性ながら非常にポップで聴きやすい音楽に仕上がっていると思う。必聴
クラブ・シーンのオリジネーター、ゴンザレス鈴木が率いるバンド。リズミカルなナンバー、新たなヴォーカリストの参加によるボーナス・トラックなど、聴きどころ満載のSoul Bossa Trio(ソウル・ボッサ・トリオ)のベスト・アルバム

畠山美由紀がゲストヴォーカルとして参加しているということで手にした1枚。個人的には畠山美由紀の仕事の一つという風な認識の仕方をしていて、その点から言えば、畠山美由紀の独特の情感を感じさせない抜けた明るさを見せるこのアルバムはなかなか良いとおもう。音楽性も様々なアプローチを見せていて飽きさせない。ハウスではないが、モンドグロッソと多少類似点が見受けられる。リラックスしながら流すには最適な音作りなので、BGMとしてよく聴いている

それいゆ

2004年6月19日 音楽
flexlife(フレックスライフ)の1stアルバム

ブラックミュージックをルーツにしている2人組のユニット。詳しくは下記のURLを参照されたし

2ndの「黒い秘密」も購入したが、なんというか・・・雰囲気が結構ダークなので、あれでこのアーティストに入ると多少誤解が生まれると思う。その点、このアルバムはジャケから想像されるような温かみのある歌詞とサウンドで、特に「getting better」は少し癖のある独特のヴォーカルと温かみのある楽曲でこのアーティストの代表曲と呼べるサウンドに仕上がっている。また、全体的にムーディーな楽曲が多い

わりといい雰囲気のあるアルバムだが、いかんせん知名度が低くなかなか聴いているという人には出会ったことはないが・・・

インタビュー
http://www.musicmachine.jp/interview/03/
サニーデイ・サービスの4thアルバム

解散してしまい音源は出尽くしているが、個人的にはこの作品が全作品の中で一番良いと思う。はっぴいえんどのフォロワーとして名前が良く挙がるが、後期は良質なPOPSを作りつつも異なった音楽性であったと思うし、この作品は後期のようなPOPSとして振り切れた部分があまり見受けられず、とはいうもののはっぴいえんどのような部分も少しずつ薄れて行き、結果として絶妙のバランスを保っている。ビートルズをモチーフにするのが流行っていたという当時の事情もあってか、そこかしこにビートルズの影がちらほら見える

ヴォーカルの曽我部恵一がソロライブアルバムでカヴァーもしていたが「ベイビー・ブルー」は空気感が素晴らしい。チョコレートのCMにも使われた「NOW」はシングルで切られただけあって、アルバム中もっともキャッチーで軽快な曲になっている。個人的に「枯れ葉」「そして風は吹く」はかなり好きだ
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」以降、初になる中編小説

ひとりの大学生が恋をする。 その相手はクラスメートで、ジャック・ケルアックに心酔し、作家もどきのだらしない生活を送るばかりで、個人の責任という意識はひとかけらもない女子学生。あるとき、彼女はかなり年上の、すばらしく洗練されたビジネスウーマンに出会う。このワームホールをつきぬけた彼女は、村上の描くシュールでありながらも人間性の感じられる世界の登場人物として読者を引きつけ、今は教師となった、この恋をあきらめきれない青年を巻き込んでいく。彼女は、日本の町からヨーロッパへ、さらにギリシャの孤島へと移動して、やがて失踪する。わずかに残された痕跡は、彼女の運命の輪郭を暗示する、コンピュータに残された奇怪なできごとの記録と、自作の小説に書かれたいくつかの挿話だけであった。青年教師は、呼びだされて彼女の捜索に加わるのだが・・・

この作品、個人的には微妙だ
「ねじまき鳥クロニクル」の良さが最初分からず、徐々に評価が上がっていったのと比較して、この作品は少しずつ落ち着いていった。最初に読んだ時はこういう文章もまだ書けるのかと嬉しくなったが、作者自身がこの作品をもってその文体から決別すると言及していたということと、なんというか・・・自己模倣のような気がしてきたんで。しかし、つまらないということではなく、村上作品の中では割と地味なポジションということになってる、個人的にだが

作者曰く「過去から現在までの自分の文体を総ざらいしようと思った」らしい。そのせいか、「ねじまき鳥〜」で違和感を感じた人でも、ようするに初期3部作や「ノルウェイの森」あたりが親しみやすいと感じる人でもスムーズに物語に入っていけるんではないだろうか
村上春樹の「ダンスダンスダンス」以来の中編小説

実際刊行予定だったのは「ねじまき鳥クロニクル」のほうだったらしいが、紆余曲折ありこの作品が先に世に出ることになった

一人っ子として、ある欠落感をもっていた主人公に、小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。25年後、37才の時、2人は再会し、激しい恋におちる、というもの。この作品は現在の主人公が過去を回想し語るという形式をとっていて、ある段階になると30代の主人公の現在に戻り話が展開していく

この作品は何度も読み返したので実はあまり語ることがない。ただ、以前インタビューで作者がこの作品に言及して、「この作品はいわゆる典型的なラブストーリーとして読まれているらしいが、作者としてはホラーとしての要素を色濃く入れたつもりだ」とコメントした。個人的にはその言葉につきる、というところだろうか

個人的には村上春樹の作品中では高校時代から何度も読み返し多少色あせているものの、非常に好きな作品
村上春樹の全集

海外で人気の高い『国境の南、太陽の西』、1999年に刊行された『スプートニクの恋人』という2作の長篇。巻末に長い書下ろしエッセイで自作とその周辺を描く

学生時代に買った「国境の南、太陽の西」の単行本が読み込みすぎてぼろぼろになってしまい、文庫を買うかこの全集を買うか迷っていたが、「解題」が読みたくてこちらを購入することにした。「解題」の内容は、現在の視点から作者自身が作品を振り返り、当時の執筆中のエピソードや何故この作品を書こうと思ったか、現在この作品に対して何を思うか、といったことが書かれている

「国境の南、太陽の西」が「ねじまき鳥クロニクル」から派生した作品であることは割りと有名な話だが、今回ここで作者が語った「国境〜」の主人公がもともとは「ねじまき鳥クロニクル」の主人公と同一のものであり、「国境〜」の冒頭は「ねじまき鳥〜」の第一章となる予定だったというエピソードは興味深かった。個人的に「ねじまき鳥〜」の冒頭は物語自体の長さに対して少し不釣合いではないかと思っていたので、この作者の告白はえらく腑に落ちた

村上春樹を好きである程度読み返し、お金に余裕のある方は購入してみるのも良いかと。もちろんその部分だけを読みたければ図書館等を利用するのも吉

さくらん

2004年6月18日 漫画
安野モヨコが描く花魁の生き様

物語は過去の回想という形をとり、人気ナンバーワンの花魁である主人公が幼少時代に当時の吉原に身売りされそこから一人前の花魁になるまでを描いている。一応この作品で区切りはついているが未完のようだ。時代考証もそれなりにリサーチしていて吉原のシステムなども知ることができる

この作家が常に描いている現実を楽しみ体力で乗り切っていく元気な女性という人物像を江戸に据え、花魁としていつものように女性讃歌を描いている。物語の内容は決して明るいものではないが、花魁の雰囲気を上手くつかんでいるように思えるし描写も相変わらずリズムがあり上手いのでつい引き込まれてしまう

安野モヨコの近作のなかでは一番好きだ。おすすめ

Heaven?

2004年6月18日 漫画
漫画家、佐々木倫子のフレンチレストランを題材にした作品

「動物のお医者さん」「おたんこナース」等、青年誌を中心に活動している作者がまたも青年誌で発表した作品。周りが墓地という立地条件のフレンチレストランで起こる一話完結型のドタバタコメディ。フランス料理の店で働くおとなしい主人公がふとしたきっかけから舞台となる店へ引き抜かれることから物語は始まり、引き抜いたオーナーをはじめ厨房を除いた誰一人としてフランス料理店で働いたことがない仕事仲間を叱咤激励しながら一人前の店に仕立て上げていくといった話。こういう風に書くとサクセスストーリーっぽいが早い段階で主役が来店する客にシフトするので、キャラの立ったメインの登場人物と客の絡みが主軸になる

この作家の描く世界観というのは徹底して現実的で、そこからにじみ出る小さな笑いや情けない部分をすくい上げる。ただ、現実的だからといって風俗に媚びないというか、あくまで視線を社会人に据えているというか。因みにこの作者は徹底的なリサーチで物語の肉付けをしているので、ファッションや食器等の小物類も実際に存在する趣味の良いものから選んでいるらしい

とぼけた味のある作品。おすすめ

おひっこし

2004年6月18日 漫画
漫画家、沙村広明が大学生の日常を描いた作品

アフタヌーンで「無限の住人」を書いている作者が変名で描いた作品。「人の死なない漫画」が一応のコンセプトだったらしい。ストーリーは大学生の主人公の片思いを軸にし、彼を取り巻く一風変わった人たちの妙な空気感を描いている。ジャンルとしては学園モノかラブコメになるんだろうか

無限の住人の乾いた世界観が少し寒いと感じる人でもこの作品を読めば作者があの価値観を自覚的に描いていることが分かるはず。ただ、こちらの作品は現代を舞台にしているし、なによりシチュエーションと含蓄のある言葉で笑わせるタイプのギャグ漫画なので無限の住人がダメでもこちらは楽しめるという人は多いんではないかと

この作品は中編が2作収録されており、前半部分のおひっこしという作品もいいが、後半部分の少女漫画家を主人公にした漫画もかなり面白い。個人的にはこちらのほうをすすめたいところ

バカ姉弟

2004年6月18日 漫画
安達哲の連作短編

ストーリーとしては街中から可愛がられているバカ姉弟が町内の様々な人と絡むというだけの話。バカ姉弟は基本的に触媒で、周りのバカ姉弟と絡む人がその時々の主役になる。まぁ、ほのぼのする話なんだが、書いている人が安達哲なので、ヘンにメルヘンになることもなく、しかし非日常という微妙なスタンスの作品になってる

町の人々の俗っぽさと浮世離れしたバカ姉弟の絡みの味が気に入れば何度も読み返すことの出来る作品になるかと

恋恋風歌

2004年6月17日 音楽
つじあやののヒット曲を多数収録したアルバム

まず、Tore Johansson(トーレ・ヨハンソン)と組んだ曲がどれも良い。「桜の木の下で」はつじあやのの世界観を濃密にしたようなバラード、カルピスのCMで使われた「ありきたりなロマンス」は透明感のある軽快な曲、「明日によろしく」は前作からのつじあやのの作風を踏襲しウクレレをフィーチャーした曲と、きちんと散らしてある。他の曲のアレンジはCoccoのプロデュースをしていた根岸孝旨が担当しているが、こちらも良い。個人的には「帰り道」が秀逸

しかし、こうしてアルバムに並ぶとジブリの主題歌「風になる」はかなり映える。単体で聴くとアレンジがジブリっぽくて童謡にしか聴こえないんだが、1曲目から通して聴くとこの曲はアルバムの軸になっていることに気づかされる。前作の「バランソ」は地味で少女趣味だと思ったが、このアルバムを聴いて考えを改めた。そういう要素は全く変えずにむしろ前面に押し出して、アレンジでそれを補完しているという離れ業をしていて、マイナスの要素に思えていた少女趣味を魅力的に、なおかつスタンダードに提示している。音の肌触りとしてはスピッツに近いかもしれない。声とポップな楽曲という基本ラインがしっかりしているので単なるメルヘンではない落ち着いた良さがあると思う
TBSで放送された現代の若者を描いたドラマのDVD

まずタイトルのネーミングも含め、舞台に池袋を選んだ石田衣良による原作のセンスがいい。そこに『GO』の脚本でも注目を集めた宮藤官九郎、「ケイゾク」で斬新な演出をみせた堤幸彦のセンスが加わり、コミカルで奥行きのある世界が構築されている。そこに長瀬智也、窪塚洋介をはじめ、名前をあげたらきりがないほどの豪華キャスト陣が、それぞれ強烈なキャラクターを演じ、違和感なくとけ込んでいるのも見事だ。物語はギャングの抗争、少女の殺人などを背景に、今どきの若者の現実をポップに描いている。が、その奥に彼らが持つ深い孤独感をじわーっと臭わせていて、単にテンションが高いだけのドラマに終わってはいない。また、不良だけにスポットを当てるのではなく、オタク、ヒキコモリといった少年たちが同じ土俵で活躍する展開も、どこか浪花節的なものを感じさせ、それが実にキモチいい

TBSは良くこれを放送してたなと感心することしきりだ。当時、放送中苦情の電話が殺到していたらしい。しかもPTAからの苦情があり地上波では再放送がなかなかできなかったらしいが。まぁ言っちゃ悪いが主人公はその辺にいる若者で、彼の視点からわりとTVドラマ向けではない話題をやたら「軽く」扱っている。ドラッグや不法就労者、やくざ、ねずみ講などなど・・・。主人公のメンタリティによって全ての問題が独特の価値観で斬られ、それが物語のリアリティに直結している。だからこの話は主人公のマコトなしには成立しない

雰囲気より強度を重視する物語の展開は今見ても結構面白いと思う。当時は単純にかっこいいと思ってたんだが今見ると笑いの部分に引っかかってしまうところだが

LOVEBEAT

2004年6月17日 音楽
砂原良徳のソロアルバム

この作品はいわゆるエレクトロニカというジャンルに入るんだろうか。個人的にそのあたりは詳しくないのでよく分からないが、その方面ではこのアーティストはある一定の評価を得ているらしい

電気脱退後ということでそれなりの注目をして前作を含め購入したが、こういったアンビエントに近い内容とは思っておらず、一聴して期待はずれと感じた覚えがある。その後、スーパーカーの作品に彼は参加し、仕上がったスーパーカーの作品を聴いて揺り戻し的にようやくこの作品の良さも分かってきたというのが正直なところだ。スーパーカーの楽曲で個人的な好みとの接点が見えたし、彼のやりたい方向性もある程度分かった。

派手さもないし、キャッチーでもないが、独特の温度と適度に抑制された楽曲のありようが次第に良いと思えてくる。ただ、構えて聴くタイプの音楽ではないと思う。ゆったりとした楽曲で統一されているのでそういった音楽が好みの方は是非

1996

2004年6月17日 音楽
坂本龍一の生楽器を使ったアルバム

坂本龍一のピアノと、チェロ、バイオリンのトリオによる演奏で、当時の新曲を含む過去の代表作に挑んだベストアルバム的な作品。過去の代表作に再び命を吹き込むような充実した演奏が収められ、感動的な傑作である。以前からのファンには、新しく生まれ変わった名曲の魅力を再確認できる作品として、初心者には彼の足跡をたどる良質な入門的アルバムとして最適だろう。同じメンバーによるワールドツアーも実にすばらしい内容で、全世界で大好評を博した

このアルバムは非常に売れたし、今更感も漂うが・・・。振り返ってみればこのアルバムがあったからこそ坂本龍一はBTTB(バックトゥザベーシック:原点に戻る)というコンセプトを考えたわけだし、その結果エナジーフロウなどの大ヒット曲をうみだすことになったわけで。まぁそれが良いかどうかはとりあえず置いておくとしても、このアルバムはBGMとして流すのも良いし、まじめに取り組んでもそれなりのものを得られると思う。個人的にはもっぱら寝る時に聴くという感じだが

このアルバムの中に収められている「美貌の青空」は原曲からの距離がかなりあるが素晴らしい演奏で個人的には作品中最も好きな曲だ。オリジナルの演奏は音を重ねている上、メロディに沿ったアレンジではなく、雰囲気がかなり違っていたので取り立てて良い曲とも思えなかった。オリジナルのほうはかなり前に一度聴いたきりなので違っているかもしれない。あしからず

Mr.Noone Special

2004年6月17日 音楽
Cymbalsのミニ・アルバム

この作品はシンバルズの最も売れた作品ということらしい。内容は非常にポップだ。シンバルズ自体ポップな音楽性のアーティストだがその中でもこの作品は群を抜いている。架空の人物Mr.noon(何者でもない人)の半生を語るといったコンセプトも一応あるが、そのあたりは歌詞にのみ反映されていて、それも英詩なので大して気にならずただのポップスとして楽しめる。シングルカットされこのアルバムに収録されている「highway star,speed star」もファンの間では未だに人気が高い

「Love you」というアルバムから入ったにわかファンの僕としてはこのアルバムはなかなか楽しめた。ちょうどシンバルズに興味を持った時期にYMOのアルバムが全て再発されこのアルバムを購入した所YMOのジングルのオマージュなんかがあり、音楽性がかけ離れているこのアーティストがより身近になった。因みに、このアルバムではベストにも収録されている「Do you believe in magic」の突き抜けたポップさが良い

シンバルズを知るならまずベスト、その後このアルバムを聴くと良いかもしれない。アルバムごとに方向性が違うし、世間一般に認知されているシンバルズのイメージはこのアルバムの音楽性だと思うので

Complain too much

2004年6月17日 音楽
畠山美由紀と小島大介の二人によるポート・オブ・ノーツの1stアルバム

この作品は結成から2年を経てリリースされた。静かで澱みのないアコースティック楽器の響きと畠山美由紀の独自にも似た語りが聴く人の人生を振り返らせるでしょう。音の隙間から,70年代のシンガー・ソングライター・サウンドやボサ・ノヴァ,ソウル,ジャズなどの音の断片が静かにこぼれ落ちる初フル・アルバム

この作品は基本的に打ち込み系の歌物だが、畠山美由紀がソロを含めて参加している作品の中でも彼女の良さをもっとも引き出している仕事だと思う。現在はソロとして活発に活動しているが、本来の仕事はポートオブノーツのヴォーカルと見ている彼女のファンは結構多い

近々ポートオブノーツ名義のニューシングルが発売されるそうなのでそれを楽しみに待つ。夏にはニューアルバムが発売されるそうだ

デイ・ドリーム

2004年6月17日 音楽
カヴァーを主に活動するアン・サリーの作品

ジャズ、ボサノヴァ、ブルースなどのルーツ・ミュージックをごく自然に吸収した、暖かくて気持ちいいボーカルが、中村善郎、Saigenji、鈴木惣一郎、木暮晋也、高田漣といった優れたミュージシャンたちの演奏のなかで軽やかにスィングする、珠玉のカヴァー・アルバム。日本、ブラジル、ニュー・オリンズなど、世界中の音楽を自由に飛び越える彼女の歌は、ボーダレスにしてタイムレス。「三時の子守歌」(作詞・作曲/細野晴臣)、Freedom We’ve Been Together(Allen Toussaint)は、特に絶品。2003年を代表する、傑作だと思う

アン・サリーと出会ったのは、畠山美由紀がショーロクラブのアルバムに参加し、それを買ったところゲストヴォーカルとして彼女も参加していたのがきっかけだった。歌声のよさに、すぐ彼女のアルバムを買うに至った。まぁ、カヴァーアルバムではあるんだがこのアルバムは素晴らしい。「ムーンダンス」というアルバムと同時発売だが、こちらのほうが良い。4曲目の「A Menina Danca」(ア・メニーナ・ダンサ)は声質にもマッチして素晴らしい楽曲になっている

涼しげな歌声がだらだらと流しっぱなしにするには最適な一枚

茄子

2004年6月16日 漫画
アフタヌーンで掲載されていた黒田硫黄の連作短編

さまざまな登場人物が時に絡みながら、基本的には各々を軸とした物語を展開させ3巻で完結。一応主役は「大日本天狗党絵巻」でも登場した高間教授らしい。この間この短編集に収録されたプロの自転車乗りを主人公にした「アンダルシアの夏」が映画化された

この作者は「IKKI」という雑誌で「セクシーボイスアンドロボ」を連載しているが(現在は休載中)、どちらかというとこの作品のほうが好きだ。牧歌的でありながらリアリティを損なわない独特の画風と作風で、アンチクライマックスの嵐を描きまくっている。エロもアクションもキャラ萌えも同時代性も・・・ようするに、現在の漫画に求められている要素はほとんど無いもののかといってマニアックにならずある種普遍的でとぼけた味わいを残す作品になっている

< 19 20 21 22 23 24 25 26

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索