TEAM ROCK

2004年8月24日 音楽
くるりの3rdアルバム

21世紀はじめの日本を覆う異様な息苦しさと、どこにも出口が見えない圧迫感をまっすぐに見すえながらも、音楽の根源的なパワーによって「希望」のありかを示してみせた傑作のサード。テクノ〜ハウスのダンスミュージックに接近する一方で、トラディショナルなロックンロールの魅力もきちんと提示し、自由な感性と音に対する研ぎ澄まされた感覚はひとつの高みに達している。「安心な僕らは旅に出ようぜ 思いきり泣いたり笑ったりしようぜ」というフレーズが泣ける「ばらの花」ほか、くるりディスコグラフィの中でもずっと語られるであろう名曲が詰まっている

このアーティストが一般的な認知を得た作品ということになるだろうか。このアーティストのイメージを形にしたといえる「ワンダーフォーゲル」、スーパーカーのフルカワミキがコーラスに参加し、スマッシュヒットしたバラード「ばらの花」、カントリー調のギターに乗りポップなメロディが展開する「リバー」という佳曲が並び、その曲群のイメージを統一するような楽曲がちりばめられていて、このアーティストの作品の中では聴きやすいアルバムになっている

この作品は当時ヴォーカルがインタビュー等で話していたように、意図的に音響的なアプローチを持ち込んだ部分もあり、それがこのアーティストを聴く方には賛否両論だったことを覚えている。個人的にはそういった要素のあまり無い楽曲が良いと思うが。「ばらの花」はかなり好きな曲だが、フルカワミキのコーラスが楽曲の色にかなりの影響を与えているので、単純にくるりの曲ということで好きなわけではないのかもしれない

dirty

2004年8月23日 音楽
ソニック・ユースの作品

前作『GOO』によって商業的成功を収めた彼らだが、そのエクスペリメント精神と決して大衆(マーケット)にこびない姿勢は、本作からもはっきりと感じとることができる。激しく響きわたる音を巧みにコントロールするサーストン・ムーアのギターが混沌とした音像を描き、激しく音圧を増したビートは抽象度を高めながら暴走する。また、90年代のアメリカが抱えていた、暗く歪んだ病理を鋭くえぐった歌詞も秀逸だ。このアルバムが表現した世界観は、20世紀末を確実にとらえていたのだと思う

このアーティストは個人的に、バンドとしてのイメージが非常に良い印象を受ける。楽曲はともかく、バンドとしては売り上げによる流行り廃りではなく、メディア等の煽りによる流行廃りの波を受けていない気がする。そして、それゆえに上記でも触れられている媚びない姿勢というものが格好良いというか

実際の音は、それほどマニアックではないし、現在聴くと普通のギターロックの範疇に入る。そして、楽曲が非常に・・・まぁ、こういう評価が適当かどうかは分からないが、シリアスな評価を要求される感じの音で、格好良い。計算された勢いのようなものがあり、凝ったひねりのあるアレンジが目立つ。そして、抑制されたメロディとギターを重ねて醸し出される世界観は決して明るく楽しいものではないが抜けがよく好感が持てる

ARTISAN

2004年8月22日 音楽
山下達郎が90年代初めに発表した作品

第33回日本レコード大賞アルバム大賞(ポップス・ロック部門)を受賞した、1990年代最初のオリジナルアルバム(1991年発表)。鉄腕アトムをモチーフに、誰もが夢見る子どもなんだとメッセージする故手塚治虫へのトリビュートソング「アトムの子」、夏の日の淡い恋の思い出を描いたバラードナンバー「さよなら夏の日」、イギリスの画家、ターナーの絵画にインスパイアされて作った、穏やかなメロディのミディアムチューン、「ターナーの機関車」、抑えることのできない狂おしい恋心をロマンティックににつづる「エンドレスゲーム」(TBSテレビ系ドラマ『誘惑』主題歌)のシングル4曲に加え、孤独から救ってくれた輝かしい愛を高らかに歌い上げる壮大なバラード「スプレンダー」(竹内まりやがコーラス参加)など、クリアなキーボードサウンドをメインに、そう快なメロディが広がっている

上記で触れられている楽曲は客観的な質の高さと主観的な好み、どちらから見ても文句の付け所が無く、その集積としてのこの作品は非常に上質で間口の広いポップスに仕上がっている。特に「スプレンダー」はシングルで切られてもおかしくないと思える程心に残る曲だ。技巧に走らず楽曲の細かいニュアンスや雰囲気を大事にした曲群は、一過性で消費されやすい昨今のポップスとはやはり一線を画していると言わざるを得ない。このアーティストの作品の中で最も好きなアルバムだ

TREASURES

2004年8月21日 音楽
山下達郎のベストアルバム

1983年のムーンレコード移籍後、レーベル在籍12年目にして初めてリリースされた山下達郎のベストアルバム(1995年発表)。JR東海のキャンペーンソングとして知られるクリスマスの定番ナンバー、別れてしまった恋人を取り戻したいと願う感動的なバラードなど、山下達郎を代表する珠玉のヒットナンバーに加え、雨の日の悲しい恋物語を描いた1983年のシングル(オリジナルアルバムには未収録)、南の島のまぶしい景色を歌った1987年のヒットチューンと、初CD化ナンバーも2曲収録。シュガー・ベイブ時代の「パレード」(1976年のアルバム『ナイアガラ・トライアングル Vol.1』収録)は、大瀧詠一のリミックスによるニューヴァージョンで収められている

このアーティストは音質や楽曲に非常にこだわりを持っていて、移籍前の会社で出されたベストアルバムのマスターが気に入らないといって訴訟を起こし5年も裁判をしていたほどだ。ラジオ番組を一つ持っていて、そこで自分のライブ音源を蔵出ししたり、ルーツとなる海外アーティストのレアな楽曲をかけていて、そこで語られる音楽への造詣の深さも支持を集めている

この作品はベストアルバムということで、当たり前のことだが捨て曲がほとんど無い。そして、このアーティストが長い間支持を受け、現在も第一線で活躍している理由が非常に納得できる楽曲の質の高さになっている。肝心の楽曲だが、誰もが一度は聴いた事のあるようなキャッチーな曲、アルバム収録だがクオリティが高い曲などで占められており、「山下達郎はクリスマス・イブしか知らねえ」という方でも聴き易く、聴き飽きない作品になっていると思う。ジャックスカードのCMで使われた「蒼氓(そうぼう)」も収録

<収録曲>
高気圧ガール
スプリンクラー
ゲット・バック・イン・ラブ
風の回廊(コリドー)
アトムの子
エンドレス・ゲーム
踊ろよ,フィッシュ
ターナーの汽罐車
土曜日の恋人
ジャングル・スウィング
世界の果てまで
おやすみロージー(Angel Babyへのオマージュ)
クリスマス・イブ
さよなら夏の日
蒼氓(そうぼう)
パレード

BTTB

2004年8月19日 音楽
坂本龍一のピアノソロアルバム

「Back To The Basic」(原点回帰)の頭文字を取ったタイトルが示す通り、坂本のルーツともいえるクラシック音楽(ブラームス、ドビュッシー、リスト、ヒンデミットなど)からのインスパイアを感じさせる、ピアノ曲集。坂本の全作品のなかでも、メロディの素晴らしさは特に際立っている。もともとは娘・坂本美雨のために書かれたという「aqua」やボーナストラックとして「tong poo」などを収録

楽譜やデータFD添付などでも話題を呼んだ教授WP移籍第1弾の通常盤。即興的にモチーフをためていき,数々のスケッチから選んだというピアノ・ソロ・アルバムは,なるほど“ピアニスト”坂本龍一を納得させるものばかり。まだまだ“現役”は伊達じゃない

ウラBTTBはミリオンセラーになったが、“ピアノソロ”というコンセプトが同じというだけで、タイアップのついた楽曲をまとめたものだった。この作品はボーナストラックやリアレンジされた楽曲が3曲ほど入っていて、それが普通のアルバムでいうリード曲のような体裁を取っている。ピアノソロゆえか教授が作るメロディ独特の乾いて曖昧な雰囲気が全編を色濃く覆っている。因みに1曲目の「opus」は、中谷美紀のシングル「クロニック・ラブ」に収められた「雨だれ」という楽曲。こちらは、当たり前だが中谷美紀の歌と歌詞がついている。個人的にはどちらも各々の良さがあり何度も聴き返している

このアルバムは「1996」という作品同様、このアーティストの作品の中では間口の広い部類にはいると思う。ピアノソロということで多少趣味性が出るが、流して聴くにはとても心地よい。「1996」のように売れても不思議ではないし、むしろこちらのほうが洗練されていると思う。おそらくリリースタイミングが悪かったんだろうと個人的には思っているんだが・・・

FinalFantasy XII

2004年8月18日 ゲーム
スクウェア・エニックスが放つ人気シリーズ

確かに一見しただけではキャラクターデザインは前作までの雰囲気に近いかもしれない。しかし今回のキャラクターデザインを手がけられたのは紛れもなく「オウガ」「FFT」シリーズ、「ベイグラントストーリー」でその画風に定評のある吉田明彦氏である。そして製作総指揮は同じく「オウガ」に始まり「ベイグラントストーリー」、「FFTA」と作風に異様なまでのこだわりと創り込みをみせる、ある意味で「鬼才」ともいえる松野泰己氏である。「今までのFFと雰囲気が同じじゃん」とよく言われているようだが、それは「敢えて似せられている」と形容するのが正しいのかもしれない。今までの「松野作品」の特徴には生々しいまでの人間模様を描いたストーリー性と非常にタクティカルなゲーム性が挙げられる。それが人々を「ハマリ」の境地に追い込んでいくのだ。そしてこの「FF12」にもその「松野ワールド」が受け継がれているに違いあるまい

9月発売ということらしいが、雑誌等で地味に情報が小出しにされていて、CM等も少し打たれているようだ。前作である「FF10」は、ムービーの合間にゲームが申し訳程度にあるだけだというような批判もある作品になっていたが、今作はどうなるんだろうか。個人的にはFF10を楽しんだクチなので、どちらに転んでも対応できると自負しているが・・・

ラストイニング

2004年8月17日 漫画
マラソン漫画「奈緒子」の作者、中原裕が描く野球漫画

新作は野球ということで、かつての名門校ながら今は落ちぶれた野球部の廃部危機を救うために、OBであり有能な捕手でもあった主人公が新監督となり甲子園を目指すといった内容

「奈緒子」というマラソン漫画を長く続けたことでこの作家にはある種の“色”が付いてしまったように思う。家族や仲間への純粋な思い、マラソンという孤独なスポーツのストイックさというものを長いこと描いたことで、簡単に言うと地味ながらも味わい深い作品を書く作家という風に認識されたように思う。その作家が描く新作ということで正直期待していなかったんだが、おそらくそのイメージに作家自身もうんざりしていたのだろう、今回はあざといまでの変化球を投げている。物語の構成も毎回過剰な引きで終り、次がどうなるか期待させるような展開を意図的にしている。高校野球という舞台で部員との心の交流や挫折、ショウリの喜びを描くというような正攻法をあえて避け、現実味のない荒唐無稽なアイデアを次から次へ出し、世間ズレした主人公である監督のいいなりに部員たちは動く。そして、その描き方は今のところかなり上手く行っているように見える。そういう風に描くことで、妙に熱くもならず、なにより読んでいて単純に楽しめる。現在2巻まで出ているが、今は部員の補強と練習を主に描いている。これからどうなるのか地味に楽しみにしている

百器徒然袋 風

2004年8月16日 読書
妖怪作家、京極夏彦の新作

薔薇十字探偵・榎木津礼二郎再び登場!京極堂・中禅寺秋彦をも閉口させる史上最強の探偵・榎木津礼二郎。下僕たちを翻弄しつつ、力技での事件解決が冴え渡る。「五徳猫」「雲外鏡」「面霊気」の3編を収録

これは、ウェブで有料のノベルスとして売り出していたものを編んだ作品ということになる。とはいっても様々な紙媒体にも転載されていたんだが。300円前後で一話づつ売り出していて、僕は「雲外鏡」をウェブマネーで購入した覚えがある。つまり、ウェブでは探偵榎木津が主人公であるこのシリーズは収録された以外にもいくつか発表されている。興味のある方は調べてみるのも吉。

この作品は、本編である妖怪シリーズに出てくる榎木津というキャラクターを主人公に据えたサイドストーリーという位置づけになっている。とは言っても、本編に出てくる登場人物はほとんど登場するし、本編でちらと出た脇役たちも再登場するので、差別化が難しい。単なる枚数上の差で片付けることもできるが、それ以外にもいくつか相違点があるので、それを挙げておきたい

まず、妖怪シリーズでのストーリーテラーである小説家の関口はほとんど出てこない。この作品では代わりに本島という青年が語り部になる。小説家が語るのと一般人である彼が語る表現に大分差をつけてあるのは面白いところだ。電気会社の平社員である本島の語り口は極めて平易で出来事を主観で自分なりの見解を入れつつ語る。登場人物たちとも出会ってまもないので魅力や奇妙な振る舞いに素直に呆れたり驚いたりする。片や関口という小説家の語り口は、同じ主観で語りつつも他の登場人物とは古くからの友人であるという立場からのもので、多少突っ込んだ考察もあり、小説家という職業柄表現力が比較的高い。全く同じ位置に2人を置いて、その違いの妙を楽しませようとしているように見受けられる。そしてこの「百器徒然袋」シリーズは主人公たちの住む地域の周りで起こる事件を扱い、内容は比較的軽い。あくまで日常レベルを逸脱しない俗な事件を扱おうとしているように見える

とは言っても、京極堂ももちろん重要な役どころで出てくるし、憑物落とし(=謎を解き明かし、解決へ導く)もきちんとする。含蓄のある雑学談義も健在だ。個人的には物足りないということは決してないし、こちらのほうがどちらかというと好きだ。勧善懲悪がはっきりしているし、登場人物の日常で見せる様々な表情も面白い。妖怪シリーズの場合、いやがおうにも非日常に放り込まれるので、こちらのほうが身近で感情移入しやすいと思う。まぁ、多少ふざけすぎと思うきらいもあるが

今回は3編が収録されているが、最後で榎木津が取る行動は、このシリーズを時系列に読んできた方なら心打たれること間違いなし。かなり良いです
畠山美由紀のライブカヴァーアルバム

2002年9月の『Fragile』の続編となるカヴァー・アルバム第2弾。教会でのコンサートを収めたもので、ヴォーカルの魅力が前面に出た好録音。弦楽四重奏を含むバンド演奏も素晴らしい。ドメスティックな意見で申し訳ないが、日本に彼女外このラインナップを歌える者がいるだろうかと思う。ダブルフェイマスやポートオブノーツでの活動の延長上にソロ活動があるとは思わないが、この仕事は彼女のルーツでありながらも集大成と言っても過言ではない。安易に使われがちな“癒し”という言葉を蹴散らすかのような力強い歌声、聞く人の心を揺さぶり続ける選曲、そして歌の輪郭を明確にするバンドの力。残念なのは値段帯。DVDを必要としない人に安価なバージョンもあればいいと思う。Jesse、Amazing Graceはもうヤバイです。本当に。畠山最良の一枚

恒例となっている教会でのライブの模様を収めた作品。全編畠山美由紀のルーツと呼べる楽曲を選びカヴァーしている。他のカヴァーアルバムと一線を画すのはやはり彼女自身が自分の声質に合った楽曲を選び、卓越した歌唱力で歌い上げているからだろう。この作品には当時の映像を収録したDVDも付属しているため、多少値段設定が高めだ。個人的にはカーペンターズのカヴァーである「Yesterday Once More」の歌唱力とオリジナルへの相似性に驚いた。割と有名な曲が多いのでとっつきやすい作品かもしれない
漫画家、岡崎京子の代表作

傑作ぞろいと言われる岡崎京子作品のなかでも、誰もが「代表作」と言い切る作品。90年代はじめの「都会」に生きる高校生たちの姿を描く。河口にほど近く、広く、ゆっくりと澱む河。セイタカアワダチソウが茂るその河原で、いじめられっこの山田は、腐りゆく死体を発見する。「自分が生きてるのか死んでるのかいつもわからないでいるけど/この死体をみると勇気が出るんだ」。過食しては吐く行為を繰り返すモデルのこずえもまた、この死体を愛していた。ふたりは、いつも率直で、「かわいい」ハルナにだけは心を許している。山田を執拗にいじめ抜くハルナの恋人、一方通行の好意を山田に寄せる少女、父親のわからない子どもを妊娠するハルナの友人。それぞれに重い状況を抱えた高校生たちがからみ合いながら物語は進行する。そして、新たな死体が、ひとつ生まれる

本書は、93年から94年にかけて雑誌「CUTiE」で連載され、94年6 月に単行本化されたものの愛蔵版である。発表当時から多くの若者の心をとらえ、何年経ってもその評価が揺らぐことはなく、新たな読者を獲得し続けている。もちろん「若者」であっても、共感できる人もいれば、できない人もいるはずだ。だがはっきりと言えるのは、本書が「読み物」としての興奮を存分に読者に与えてくれるものだということ。痛ましく、凄まじいこの物語に、きっちりと「おとしまえ」をつけて描き上げることのできる著者の圧倒的な力量には、誰もが魅せられるはずだ

レビューを書こうと思ったらかなり的を得た商品紹介があり、言いたいことはすべて書かれているので上記のレビューを参照されたし

この作品は主人公のカンナの視点で描かれる。多少の良識と、幼さと無邪気さを持つ主人公が、山田という感覚の麻痺した離人症気味の男子と心を通わすというのが軸になり、この作家の売りである若年層特有の価値観の描写が脇を固める。平凡でフラットな位置に置かれる主人公を際立たせるために周りの環境を刺激に過敏な人々という風に設定していて、刺激そのものに麻痺した山田と、刺激を供給する側に属し、結果として麻痺している吉川こずえというキャラクターを配置し、主人公を含む彼らの生き様を描くことで、若年層がその時期において感じることの出来る特殊な空間や情緒を見事に描き出している。成熟の一過程を切り取っていると言うべきか

若年層特有の表面的な強さの描写と心情描写の際のある種の冷静さはいつものようにディフォルメされつつもバランスが絶妙だ。この視点はやはり得がたい

iTrip2

2004年8月13日 コンピュータ
iPod専用FMトランスミッタ

iTrip2を使えば、iPodの音楽をカーラジオや、家庭用ステレオでワイヤレスで楽しめる。例えばすべての周波数から空いている周波数帯域を選べるため、クリアな音声が得られる。この切替は、iPod本体から特別なコードを発信することで行うので、スイッチ類は一切ない。またiTrip2はバッテリーは必要ない。iPodからわずかの電力を受けて動作する。電源スイッチもないので接続すればすぐに使うことができる。30秒間無音の状態が続くと、自動的に電源が切れるのでバッテリをムダにしない

iPodを車で使用するに当たって必要なこの機器。早速アップルストアで注文した。因みにFMトランスミッタというのは、カーステレオのFMにチューニングするとFMからiPodの音が流れてくるというもの。

前評判であまり音が良くないと聞いていたが、そんなことはなく、少し音がこもるかな?という程度だった。車のスピーカーを変えていたのが幸いしたらしい。純正の部品を使っている別の車で試したところ、音がこもりすぎている上に低音が強調されすぎて聴きづらい音になっていた。実際使ってみると、非常に便利な印象だが、iPodに入れた膨大な曲群から選び出して聴くという行動ははっきり言って無理だと気づいた。信号待ち程度の時間では間に合わない。やはり、あらかじめ聴きたい曲をピックアップしておいてプレイリストを作り、流すのが吉。ただ、人を乗せてドライブする場合などは助手席に選曲を任せられるので楽しいだろうと思う。PCでプレイリストを編集してiPodに転送しこの機器を使い車で聴くのはMD等のメディアに比べると非常に手軽なので購入してよかったと思う

因みに、別売りのシガーライターから電力を供給するコードを使っているが、線を繋ぐことによりコードがアンテナの役割を果たし音質が4割り増しくらいで向上する。懐に余裕があれば一緒に購入するが吉
オーディオメーカー、バング&オルフセンのイヤホン

デンマーク高級オーディオメーカーB&O「Bang&Olufsen」バング&オルフセンのイヤホン。オーディオファンならご存知のメーカー。

iPodを購入したということで、付属のイヤホンではなく、少し凝ってみたいと色々ヘッドフォン・イヤホンを検索したところ見つけたこの品。現在では割とスタンダードである耳にかけるタイプだが、音質も良く、この小ささで3箇所が稼動し耳にフィットすると言う機能性が良い

実際購入し使ってみたところ、非常に音が良い。音が鮮明で、それぞれの楽器とその位置がきちんと判別できる。といっても、iPodに付属しているイヤフォンと比較してということだが。延長コードが付属しているのも高ポイント。音質が多少シャキシャキとし過ぎていて音量を上げると耳に負担がかかる気がするのが難点と言えば難点か

EXODUS

2004年8月10日 音楽
Utadaの全米デビューアルバム

オルタナティブ、ポップ、ダンス、ファンク・グルーヴがミックスし、ウィットに富んだリリックと、緻密に構成されたメロディが、このアルバムには注ぎ込まれている。初のリミックス・シングル「Devil Inside」はアジアン・フレーバー溢れるビートのダンストラック。そして、明るくポップなメロディを持つ「Easy Breezy」はアルバムからの最初のリード・シングルとなる。このアルバムのゲスト参加は、マーズ・ヴォルタのジョン・セオドアが「Kremlin Dusk」に参加、プロデューサーのティンバランドは 「EXODUS ’04」、「Wonder ’Bout」、「Let Me Give You My Love」の各曲をプロデュース

とりあえず全体的なレビューは発売後に改めてするとして、「Devil Inside」と「Easy Breezy」を聞いた印象だけを語っておきたい。2曲+リミックスを試聴してみたが、あれほどマーケティングした上での音になっているのならそりゃ受けるだろうというような印象だ。何か骨格から変えたような音作りをしている。宇多田ヒカルが歌う必然性はあまりないと言えばいいんだろうか。まぁ、必然性がないといってもそれは日本で活動した上で築いたイメージや、声質と歌謡曲を取り入れたサウンドメイキングをもとに言ってるわけで、向こうでは宇多田ヒカル名義は一部でしか流通していないだろうし、そこを突っ込むのは意味がないかもしれない。しかし、この2曲を聴くと3rdアルバムの音楽性からの変化にしては、あまりにも別物という感じがする。日本での作品のようにメロディを情感を込めて歌い上げるようなことはない。それが彼女の声質とあいまってメインとなる魅力だと思っていたんだが

この2曲は簡単に言うと、洋楽のインストアルバムにUtadaがフィーチャリングされているような雰囲気だ。音作りをした人間の表情が出すぎていて、個人的には今ひとつ乗り切れないところだ。まぁ、2曲でアーティストの方向性を批判するのはどうかと思うし、決してクオリティが低いわけではない。なんにせよ発売を心待ちにしているところ

群青日和

2004年8月9日 音楽
椎名林檎が組んだバンド、東京事変の新譜

太鼓:刃田綴色(ハタ トシキ)、鍵盤:H是都M(エイチ ゼット エム)、声弦:椎名林檎(シーナリンゴ)、四弦:亀田誠治(カメダセ−ヂ)、六弦:晝海幹音(ヒラマミキオ)からなる 「東京事変」 のデビューシングル

表題曲は、強いて言うなら「病床パブリック」に似ていて疾走感がありポップだ。声が金属っぽいが、CDで聴くとメディア等で流れている感触と違い、カタルシスを与える絶妙のバランスになっている。因みにPVでは黒の体にフィットした服で肌の露出が多い。汗ばんだ肌にエロを感じろ!といわんばかりで少々萎えた。PVは「群青日和」と「その淑女ふしだらにつき」が一続きになっていて、群青日和を歌い終わった後すぐに次の曲を演奏するという構成になっている。というわけで「その淑女ふしだらにつき」も聴いたが、こちらは英詞のジャズになっている。つまり、ソロ時代からの音楽性は一応踏襲しているといえる。まぁ、ネーミングセンスにもそれは反映しているわけだが・・・

ただ、林檎時代にあったある種のキテル感や威圧感、暗さは無くなっていた。それは良いことだと思う。作為的なところをすべて捨てる必要はないと思うが、本人が楽しんでやっている(というポーズでも可)ほうがリスナーとしては気楽だ

Duet With Birds

2004年8月6日 音楽
Port of Notesの2ndアルバム

畠山美由紀がヴォーカルを取るポートオブノーツ。このアルバムを最後に活動休止し、3年後の今夏新譜を届けてくれることに。このアーティストはソロにおいてもそうだが、サービス精神や華やかさというものを意図的に排除し、卓越した歌唱力を生かした情感に深く訴えかけるような曲が多い。ポートオブノーツにおいては、楽曲を製作しているDSKの志向する音楽性に沿う形をとっているため、ブルースのようなソロでは触れないジャンルも手をつけている。特に昭和歌謡に近い「愛は夢までも」は秀逸だ。

畠山美由紀の認知度が上がったため、次のアルバムは売れるんではないかと勝手に想像しているんだが・・・

Love You

2004年8月5日 音楽
昨年末解散したCymbalsのラストアルバム

沖井礼二本人も言う通りこれはCymbalsの愛のAlbumだと言える作品。ただ、このAlbumに描かれている愛は決して一つの形を示しているわけではなく、「Love Thing」のように純粋な恋心を歌っていたり、「アメリカの女王」のような"愛の無さ"を憂うう歌であったりとCymbalsの想う愛は様々な意味で深い。曲としては「E.G.G.」や「怒れる小さな茶色い犬」に昔のCymbalsの面影が見えたりするが、今までのCymbalsのイメージとは全く違う「時間を名乗る天使」にはやられてしまった。また、インディーズの2ndアルバム「Missile & Chocolate」からDVD「Visualized!」も含めて続いていた、ファンにはたまらない(?)ケース裏の"隠し写真"も前作の「sine」ではなかったが、今回のAlbumでは復活している。こちらも見どころ。とにかく1曲目から12曲目までの約50分、Cymbalsの愛をじっくり聴ける一枚

この作品は個人的に唯一リアルタイムで聴けたアルバムだった。ファンになった半年後にあっさりと解散してしまい、リアクションの取りようがなかった事を覚えている。このアルバムで入り、さかのぼって色々聴いてみたが、比較するとこの作品は非常に温かみがあるという印象を受けた。もともとのイメージは歌詞がひねくれていて音はポップということらしいが、このアルバムでは他の作品には無い落ち着き、穏やかさ、直球のやさしさがある。楽曲のクオリティは相変わらず高く即効性があり非常に良い。

このアーティストは過小評価されすぎだと思うんだがなぁ・・・
漫画家、尾田栄一郎の海賊を扱った作品

空に浮かぶ島の存在を知り、舵を取る“麦わらの一味”。空へ噴出す巨大な海流に乗り空に浮かぶ島「スカイピア」へ向かう。そこでは“神”と呼ばれる独裁者による恐怖政治が行われていた。その地に黄金が隠されているということをつきとめるものの、違法入国者として狙われることになる主人公たち。神の住む地を取り戻そうとするゲリラ、神に仕える神官たち、そして神エネルの野望が交錯する中、黄金を探す“麦わらの一味”は彼らの争いにまたしても巻き込まれてしまい・・・

今回は“空島編”と呼ばれる24〜32巻に絞って話すことにする。空島と呼ばれる、雲が海原の代わりに広がっているという特殊な環境で、さらに浮世離れした世界観の中主人公たちは冒険をすることになる。秘境にいつものメンバーがいることの面白さを楽しむという感じだろうか。基本的に戦闘シーンが多く、人数が多い割には短時間で決着がつくので読みやすい。アラバスタ編で登場した考古学者ニコ・ロビンが仲間に加わり、重要な役割を果たすことになる。

この章の主軸は“黄金探し”ということになる。皆から嘘つき呼ばわりされながらも黄金を探している男の汚名を返上してやるためだ。しかし、舞台となる島では君臨している主の野望と周辺の人々の事情や思惑というものがあり、その意識の差異が埋められることは最後に至るまで無い。主人公たちが成り行きで対峙してしまう相手を倒すことによって島に平和が訪れるという構図だ。主人公たちは火の粉を払う延長線上で平和をもたらすため、個人的には主人公たちは平和をもたらすために利用されたようにも見える。また、神の強大さや残酷さをあれほど描いた割りに、“ある理由”で主人公に太刀打ちできないというのもかなり萎えた。後、ドラゴンボール方式というか、手の打ちようがない展開になるまで主人公が活躍できないという展開も、必然性が弱いので今ひとつ乗り切れなかった。

個人的には少々ものたりない“空島編”だが、新しく入った仲間であるチョッパーやニコ・ロビンの活躍を見る事ができるので、今現在の“麦わらの一味”のチームワークを堪能したい方は是非
漫画家、尾田栄一郎の海賊を描いた作品

仲間を迎え、旅の準備は整った。海賊たちが恐れ、そしてその先に一つなぎの財宝“ワンピース”があるといわれる「偉大なる航路(グランドライン)」へ出航した“麦わらの一味”。一行を待ち受けていたのは気候がめまぐるしく変化する海と、独自の文化を築きつつ問題を抱えた国々だった。国を憂うアラバスタ国の皇女、ビビとの出会いによって、陰謀のため内戦が勃発しかねないアラバスタへ航路を取る一行。途中、船医のチョッパーを仲間に引き入れアラバスタへ着くも時はすでに遅く、政府直属の海賊、“王家七武海”の1人であるクロコダイルの陰謀により国内は荒れていた。“麦わらの一味”は陰謀を阻止するために奔走するが・・・

今回は12〜23巻、いわゆる「アラバスタ編」と呼ばれる部分に話を絞ることにする。この話は海賊として認知されたルフィ達の初めての活躍を描いており、ここから本章の始まりともいえる。一国の危機を一介の海賊が救うという話なんだが、いくつかのサイドストーリーを序盤で展開し、伏線等も張っており、また登場人物も多い割りに上手くキャラを立ててあり覚えやすく、とっちらかった印象を受けないので、物語のスケールの大きさをさばける作者のストーリーテリング能力が存分に発揮された、少年誌はこうでないといけない!と思わせる冒険活劇になっている。そして、国を良くしようと考える国民たちの心情を丁寧に描いているので、その裏で暗躍するクロコダイルへの憤り、麦わらの一味の介入する意図もすんなりと感情移入できるようにしてある。実際読むと、密度がかなり濃く最後のシーンでかなりのカタルシスが得られること請け合いだ

この内乱を収め、海賊として8100万の賞金をかけられていたクロコダイルを倒したことで、ルフィの首にかけられた賞金は3000万から1億に跳ね上がる。そして“麦わらの一味”は空島と呼ばれる島で起こる新たな冒険へ進むことになる・・・
漫画家、尾田栄一郎の海賊を描いた作品

幼少の頃から海賊にあこがれた主人公ルフィは、「海賊王になる」という野望を胸に秘め、ある日生まれた街を後に海へ出る。旅を続けるために必要な技術を持つ仲間を求め、あちらこちらでトラブルに巻き込まれながらも、仲間探しを続ける。そのかいあってか、1人、また1人と仲間は集まっていき・・・

ワンピースのレビューをするにあたって困ったことは、かなりの長期連載のため巻数が多いということ。というわけで、何回かに分けてレビューしてみようかと思う。今回は初期の仲間が集まる部分までで、チョッパー、ニコ・ロビンはかなり後で仲間になるので割愛。

この作品は掲載されている雑誌である少年ジャンプの系譜としては王道に位置し、実際、認知度も人気も内容もかなり高い位置にある。メディアミックスもされており、TVアニメや映画としても作品が作られている

今回は1〜11巻に絞るが、この時期の作品内容はメインとなる登場人物達のエピソードに主人公が絡み、結果として海賊の仲間に引き入れるという部分を描いている。そのエピソードによってキャラクターの人物造形をして、魅力的な仲間になるという意図だ。しかしこの作家は、登場人物たちがどんな能力を持ち、その能力ゆえに仲間に引き入れないといけないというような必然性をほとんど描かない。あくまでも主人公が彼らをフィーリングで必要だと思うという描き方で、彼らのエピソードにしても、そのスキルを紹介するための話ではなく、どういう人間であるか、過去にどういう生き方をしたかといった部分を描く。これは主人公であるルフィのキャラに拠るところが大きいだろう。おおらかで天真爛漫、野望があり情のために動くという、おそらく作者が考える少年像として設定しているし、彼が細かいスキルなど気にするはずもないし説明されても分からないはずだ。実際のところ、この作品に細かい設定は必要ないと思う。難しい事を考えず、ただグッと来たりカタルシスを得たりするのがこの作品の正しい楽しみ方だと思うし、だからこそそれが間口の広さにつながり、ここまで人気が出たんだと思う

ここまでは海賊として名が売れる部分までを描いているが、下地は整いここから海賊「麦わらの一味」の活躍が始まることになるのだ
原田郁子のソロ初シングル

クラムボンのヴォーカル原田郁子の待望のソロ作品をリリース。共同プロデューサーとしてPolarisのギター大谷友介、ベースにLosariosのTokie、ドラムにPolarisの坂田学が参加。2004年9月15日にはファースト・ソロ・アルバムをリリース予定

現在スペースシャワーでパワープッシュされているこの楽曲。抑揚の効いたポップな楽曲で、どこか初期クラムボンの趣がある。まぁ、こうして取り上げつつも、このシングルはスルーして、9月のアルバムを待つつもりなんだが

<収録曲>
たのしそう かなしそう
団地のピアノ ~ブルグミュラー
風色夏恋 (弾き語り)

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