LOVE LETTER

2005年7月22日 音楽
曽我部恵一の新譜

自身のレーベル、ROSE RECORDSからリリースされた新作。あなたの心をロックして揺さぶりつづける12のストーリー。青春の栄光と挫折、愛と夢と欲望ぜんぶ鞄に詰めて、さあ、旅に出よう。

とりあえず、どこを切ってもロックなアルバムになっている。ライヴ音源的な楽曲も相変わらず含まれていて、全体的にざらついた音の感触。現在ライヴを中心に活動しているようなので、ライヴで演奏する事を優先し作られたような楽曲が多いのかもしれない。そのため、作品としての完成度はそれほど高くない。前作「ストロベリー」もそれは同じだったが、今作はアレンジに多様性があり硬軟強弱がよりくっきりとしているため、前作と比較すると方向性は一緒でも音楽性をきっちり押し進めてあるような

それなりに作り込み作品としてリスナーに箱庭的な逃避場所を提供するというよりも、アーティスト自身が愛とやらを他者と共有する為の作品というエゴイスティックな姿勢は相変わらず。しかし今作では以前のような作風もまだまだ行けますよという部分を小出しにしてあり、その部分と現在の作風との摺り合わせが少しずつ行われているようにも思えた。まぁ、単にライヴすることやそこでのコミュニケーションが楽しく、それをパッケージングしたいだけのようにも思えるが

因みに、おまけのライヴ盤は一般的なライヴ盤のような音源との比較で楽しむような作品ではないです。楽曲はあくまで“お題”であり、それを崩してファンとコミュニケーションをとっている様を感じ取らせる作品になっているので

こちらで試聴できます
http://rose-records.jp/products/r0024_love.html

SPRIGGAN

2005年7月18日 漫画
漫画家、皆川亮二のアクションモノ

危険な超古代文明の遺跡封印を目的とする組織・アーカムの特殊工作員「スプリガン」。その実力ナンバー1にして、高校生の御神苗優を主人公に、その活躍を描いている大人気漫画が「保存版」として再登場したのが本書です。高度に発達しすぎたために滅びてしまった超古代文明の何者かが、現代の者たちに対する警告を綴った伝言板(メッセージプレート)だ。そこには“我々の遺産を悪しき者から守れ”という言葉が刻まれていた。このメッセージを受け止め、遺産を封印することを目的に活動する組織「アーカム」。そしてアーカムの誇る特殊工作員を遺跡に出現するという伝説の妖精にちなんで「スプリガン」と呼ぶ。御神苗優は、そのスプリガンの一人。A・M(アーマードマッスル)スーツという驚異の装甲強化!服を武器に、優が世界の平和を守るために立ち上がり、様々な敵と対決する壮大なアクションストーリー

突出した能力を持つ主人公を据えた作品を描き続ける作者の出世作。エピソードの一つをピックアップし近年アニメ映画化された

高校生の主人公・御神苗優(おみなえゆう)は、巨大民間企業アーカムの社員。彼の仕事は“スプリガン(妖精)”と呼ばれる特殊工作員であり、会社の意向である「現在に悪影響を及ぼす過去の遺物の封印」だ。彼は突出した身体能力と支給された強力な武器を使い、次々と任務をこなしていく。しかし、彼の一番の望みは普通に学生生活を送ることだった・・・

作品は数話を使い一つのエピソードをまとめるという形をとっている。それがいくつも編まれたのが今作となる。シリーズモノの短期集中連載が累積した作品とも言える。内容的にはジェームス・ボンド的/007的な作風だが、主人公を平凡な幸せを求める高校生にしてある部分と、様々な神話や寓話を基にしたエピソードを構築してある部分によって差別化を図っている。古来伝承の物語を現代風に解釈し、そこにおける問題を身体能力でクリアしていく主人公に感情移入することによってカタルシスを得るというだけの作品で、テーマによる難しい理屈やらなにやらは気にせずとも楽しめる。どこを切っても少年漫画の王道を走っている作品といえる

作品内に流れる独特の硬質で緊張感のある価値観や、独りよがりにならないファンタジックな世界観、スリリングなアクションも相まって、現在でも人気の高い作品になっている。少年の夢を具現化したといいましょうか。過去の作品だが再読する価値あり

DEATH NOTE 7

2005年7月17日 漫画
漫画家、小畑健が描くSFサスペンス

デスノートを現在所有するヨツバ・火口を包囲した捜査本部。その時、月は再びデスノートを手にする事ができるのか!? そして、月が監禁前に思い描いていた計画は実現するのか!? 衝撃の事実が待ち受ける……!!

現在の少年ジャンプの看板作品。原作者の屁理屈とも言える物語の展開と、あくまで真剣に演出していく作者によって、一部ではギャグ漫画として認識されてしまっている。そう思う読者の気持ちは分からないではないんだが、個人的には一応真面目に作者の意向に沿って読んでいる。ここまで風呂敷を広げる作品も昨今では珍しいので、単純に応援したくなるという・・・

新たなキラは旧キラである夜神月とL(える)によって追い詰められていく。もともと卓越した頭脳を持ち、スリリングなやり取りを繰り広げた“ライバル”である2人が思惑がありつつも手を組んでキラを追い詰めるという展開上、あっさりと勝負は決まる。しかし、キラであった夜神月が記憶をなくす前に周到に張り巡らせた計画は、ついにLを死へ追いやることになる

読んでいると、リアリティをかろうじて保持していた物語がファンタジーへ飛翔したという印象を受ける。言い換えれば、細かく周辺情報や絵柄などでつなぎとめていたリアリティが軸となる物語の(予想範囲内の)トンデモ展開の所為で吹き飛んだというか。予想していたゆえにその展開に対する憤りは無いが、物語が現実離れした普通の“漫画”になってしまったので、物語の中で唱えられる理屈がどうもこちらに届いてこないというか。読者を置き去りにして・・・ようするに共感させるという行為を捨てて、作者たちが想定した結末まで引っ張っていくつもりらしいが、何故か面白さが減退しているような

どんどんとスケールアップしていく内容が、ドラゴンボール的な強さを加算していくことによる飽和状態にかぶってしまうのは気のせいだろうか。軸となる部分がファンタジーである以上、リアリティ=読者が共感できる部分をどこかで出していくことは必要ではないかと思うんだが・・・次巻に期待
鈴木茂の作品がリマスタリングされて再発

1975年にリリースされた名盤「鈴木 茂 BAND WAGON」が、鈴木茂本人の制作(リマスタリング)によって、30年の時を経てついにリリース!1970年、「はっぴいえんど」結成。解散後、細野晴臣 らとキャラメル・ママを結成し、ティン・パン・アレー へと発展させる。1975年にはハックルバックを結成し、初めてのソロアルバムBAND WAGON を発表。その後も次々とソロアルバムをリリースする他、数々のスタジオ&ライブセッションを続ける。2000年には細野晴臣 、林立夫 とティンパン を結成。ソロアルバム制作他、様々なアーティストと精力的にLIVE活動を行う

名盤とされる今作が鈴木茂本人監修のリマスタリングにより-Perfect Edition-と銘打ってリリース。僕は今作から入ったので聴き比べ等は出来ないが、中々の良盤に仕上がっている

隙間のある音に独特の高揚感のあるメロディ、少々朴訥なヴォーカルが乗る楽曲群は、はっぴいえんどの色がかなり色濃く出ている。まぁメンバーだったのだから当たり前だが。この手の音は一時期いくつかのアーティストによって現代の解釈を加えつつ復刻されていたが、この作品は今聴いてもほとんど遜色の無いものなので、その手のアーティストたちが小さくまとまった単なる模倣のようにすら思えてくる

それは思うに、その手のアーティストたちがこの作品の発表された時期に鳴らされた音に対する憧憬と理解を示し、近い音を鳴らすことが彼らにとって自分の位置を示すある種の意思表示になるというだけなのに対して、この作品はその音が氾濫し当たり前のものである中でそれを踏まえた逸脱の仕方で差別化を図るというような・・・ようするに勝負しているポイントが明らかに違うというか。もちろん、前述した最近のフォロワーが居るがゆえに現在この作品が受け入れられる土壌があるということも否定できないが

適度にユルくて暖かく、現在のアーティストのように自己同一化を迫ったり作り出した雰囲気を押し付けることなく適度な距離をとってある。こちらの身の置き所を用意しつつ、きちんと乗せてくれる作品

CINEMA BATON

2005年7月13日 映画
「WHAT’S NEW PUSSYCAT!?」の瑠璃子さんからバトンを受け取りました
http://blog.so-net.ne.jp/pussycat/

*質問内容
・購入済みのDVDまたは録画済みビデオ本数の総計は?
・いま面白い映画はなにか?
・最後に見た映画は?(映画館とビデオorDVD鑑賞、双方あげてください)
・よく見る、または特別な思い入れのある映画を5つあげる
・バトンを渡すと言うよりもアンケートをお願いした方々。

1.購入済みのDVDまたは録画済みビデオ本数の総計は?

おそらく30本程度かと

2.今面白い映画は何か?

岩井俊二「花とアリス」をよく観返しています

3.最後に観た映画は?

映画は「電車男」、DVDは「誰も知らない」です

4.よく観る、または特別な思い入れのある映画を5本あげる

では順不同で・・・

・「マークスの山」
この作品の硬質な世界観が結構好みです
内容自体は重く、残酷な描写もあるんですが、
不思議な後味があって何回か観返しました
また、他の崔洋一監督作品を観たりもしたんですが、
少々オフビート過ぎてあまり馴染めませんでした

・「恋する惑星」
ウォン・カーウァイ監督の代表作ですね
「この作品にあるどこか詩的な趣は村上春樹的だ」
とどこかで読んだ事があるんですが、なるほど納得
少々メルヘンチックながら乾いたエピソードの数々は確かに似ています
最後のシーンからエンドロールに繋がる部分が結構グッと来ました
もちろん「エンドロールなのに背景が白だとまぶしすぎる」
という思いも人並みに感じたんですが・・・

・「奇跡(ミラクル)」
ジャッキー・チェンの作品
ジャッキー作品には珍しい普通のハートウォーミングストーリー
この系譜は「ゴージャス」なんかに繋がるんでしょうか
ただ、この作品はジャッキー映画の常連が脇をがっちりと固め、
なにより故アニタ・ムイが出演し歌声を披露している部分が高ポイント
アニタ・ムイを偲んで挙げてみました

・「バタアシ金魚」
筒井道隆主演作品。若き日の浅野忠信が出ていることでも有名です
僕が邦画を観出すきっかけになった作品です
原作の漫画の破天荒でギリギリなテイストを、
個人的に朴訥というイメージのあった筒井道隆が
あれほどまでに再現するとは思いませんでした
原作を読んでいたり、筒井の出演した作品をいくつか観ていれば、
さらに楽しめること請け合い

・「ビッグ・リボウスキ」
コーエン兄弟監督作品です
いつ観ても爆笑できるコメディ
シチュエーションが笑えるという状態に、
更なるボケを重ねて行く笑いは見事です
主人公たちが憎めないキャラクターというのも良いです
笑えるという部分においては他の追随を許さない作品ですね

5.バトンを渡すというよりもアンケートをお願いしたい方々

やはり、映画に特化したブログを運営しているという事で、
秋林瑞佳さんとnaoさんにお願いしたいと思います
それではよろしくです

新吼えろペン

2005年7月12日 漫画
漫画家、島本和彦の代表作

数ある島本作品の中で、すっかり代表格になった「炎尾燃」シリーズの最新作。今回は映画の原作となった顛末からの話であるが、やや物足りなさと読みにくさが感じられた。(本編の中でキャラにつっこまれているが)後半からのアシスタントに関するテーマのほうが、むしろ島本らしさが出ていたと思う。いずれにしても、読み終わったアトには、なんだかわからないようなやる気が噴き出してくる。これがために島本和彦をやめられないのだッ!男の魂、充電完了だッ!!

熱血漫画家・炎尾燃(ほのおもゆる)を主人公に据えたシリーズ第三弾。一応これが現在進行形の作品となる。タイトルに「新」の文字を加えただけ・・・ようは、設定・登場人物などを前作からほとんど踏襲していて、主人公にもなにやら風格のようなものが感じられるような気もする

1ページ目をめくるといきなり「逆境ナイン」の名場面が目に飛び込んでくる。例のシーンを今現在の島本和彦が書き直しているのだ。もちろんそれは物語の内容上必要なもの。この作品は「逆境ナイン」映画化を題材にしていて、撮影の舞台裏を原作者の視点から面白おかしく虚実入り混ぜて描いているのだ。島本和彦自身が撮影に立会い見てきたものを炎尾燃の視点に置き換えギャグ漫画として構成しなおしてある。まぁ、どうしても企画モノという印象がぬぐえないが、「それはそれ、これはこれ」ということでどうか一つ、ということらしい

「逆境ナイン」関連のエピソードは、いわゆる作者紹介的な意味合いがあったようで、物語は後半になるといつもの漫画家の内実を描く方向にシフトする。その辺りの描写は安心して笑える内容になっていて、微妙に変化した炎尾燃の漫画家としてのポジションによって勃発する様々な出来事は相変わらず面白い

以下続刊だが、この巻は「逆境ナイン」のルポモノとして読んだほうが良いかもしれない。微妙に分をわきまえてしまった社会人としての炎尾燃の勇姿が垣間見えます

吼えろペン

2005年7月10日 漫画
漫画家、島本和彦の作品

漫画業界あるいは漫画家を題材にした「燃えよペン」の続編。というか、読んでみると良い意味での焼き直しという印象。設定等を整理し基本的に1話完結で漫画家の日常を描いている。主人公である中堅漫画家・炎尾燃(ほのおもゆる)の職場が主に舞台となる。アシスタントやゲストキャラが物語の上で前に出てきているので、前作のような炎尾燃の独壇場ではない。彼の熱さも少々抑えられている

1巻で完結した前作と違い、この作品は13巻まで続いた。漫画業界の内実を描くという基本の部分は抑えてあり、炎尾燃=島本和彦という部分においては「そう思いたければ思いやがれ」と開き直っている感がある。また、同業者の漫画家も描いてあり、「うしおととら」「からくりサーカス」の藤田和日朗をモデルにしたキャラを炎尾燃のライバルとして何度も登場させる。藤田自身、情感のこもった熱さのある作風なので似通ったところがありライバルに設定するのは分からないではないんだが・・・。因みにそのキャラだけは藤田自身の画風をそっくりに真似て描いてあって、無意味に彼の作品の名場面を再現したりと遊びまくっていて笑える

笑いの質は変わらないが、熱さを求めていると肩透かしを食うかもしれない。押すだけではなく引きの笑いも多いからだ。色は薄いが堅実に笑える作品に仕上がっている

燃えよペン

2005年7月8日 漫画
「逆境ナイン」の島本和彦が描く漫画家を題材にした作品

無駄に熱い漫画家、炎尾燃(ほのおもゆる)の漫画家としての日常や彼の視点から観た漫画業界の内実をえぐった作品。一応架空の人物の立場からという事で描き出したようだが読者はそうは捉えず、炎尾燃=島本和彦という見方がある程度定着してしまったらしい。島本和彦は担ぎ出される形で映画「逆境ナイン」では炎尾燃のコスプレをさせられて作中に参加している

この作品は序盤から中盤にかけて漫画家の内実を暴露している。もちろんディフォルメやら誇張された表現はあるものの、何故かむやみやたらにリアリティがある。まぁだからこそ作者自身の声だと認識されたのだろうが・・・。それは思うに「こんな熱い作風の漫画家なのだから実際の現場でもこうあってほしい」という願望もあるのだろうし、正直普通に読んでいて作者はこういう人なんじゃなかろうかと思わせる魅力がある。作者としては、中堅漫画家の一人として、そのポジションの漫画家の最大公約数的なエピソードを散りばめたつもりらしいが・・・。実際、作中で「虚構と現実を混同されても困る!」と作者は訴えている。それもネタに見えてくるのが哀しいところだが・・・

物語の後半は、島本和彦の著作である「炎の転校生」がアニメ化されるということで、その中で起こったエピソードを原作者の視点から斬っている。これもなかなか面白い

内容的には漫画業界を題材にした熱血ギャグ漫画という印象。一応このシリーズはこの作家の代表作となっているわけだが、確かになかなか面白い。上記で挙げたような微妙なノンフィクションっぽさが受けているということなのだろうか。この作品自体は1巻で完結だが、その後タイトルを変えつつ現在までこのシリーズは続いている。今作はむやみやたらに熱く若い炎尾燃が垣間見えます

電車男 TV版

2005年7月7日 TV
ネット発祥の物語がドラマ化

電車内で絡む酔っ払い爺から女性を助けた、ひとりのアキバ系ヲタ青年。彼女いない歴=年齢(22)の彼は、助けたお礼を送ってくれた彼女をデートに誘うべく、モテない独身男達が集うネットの掲示板に助けを求める。「電車男」と呼ばれるようになった彼は、掲示板の住人たちの励ましや助言に後押しされて、ようやく彼女をデートに誘う。悩み、戸惑う電車男のピュアな気持ちは、仲間達を熱い共感と興奮の渦に巻きこんでいく……。「電車男」は果たして彼女に告白できるのか?

いよいよ始まったTVドラマ版「電車男」。一連の御祭り騒ぎはさらにヒートアップしている模様

準備期間が短く演出等を練り上げることが出来ない状況で製作された映画版は、ストレートに恋愛と心の交流を描くことで佳作になったが、今作はある程度練り上げた面白さがある。オタクの生態を掘り下げて描き、電車男が社会的に扱いが悪いことも時間をとって描いてある。その為、少々生活レベルの高いエルメスが相対的に手の届かない女性という風に見え、美女と野獣的な趣はより極端になっている。また、恋愛を主軸にしていた映画とは違い、オタクの悲喜劇をコメディタッチで描いて行こうという風に見える。電車男への2ちゃんねらーたちの反応も(物語が序盤だからなのか)映画でのような善意を基にしたアプローチではなく、あくまで暇つぶしの一環という描き方だ

物語はさまざまな媒体で触れることが出来るわけで、結局“どう見せるか”という部分で勝負することになる。その点で言うと、情報量の多い映像媒体であり、10時間使う事が出来るTVドラマ版は他と比べてより原作に忠実に表現できると思う。映画で感じた名無しの扱いへの不満も解消されそうな予感

電車男 映画版

2005年7月1日 映画
ネット発祥の原作を映画化

電車内で絡む酔っ払い爺から女性を助けた、ひとりのアキバ系ヲタ青年。彼女いない歴=年齢(22)の彼は、助けたお礼を送ってくれた彼女をデートに誘うべく、モテない独身男達が集うネットの掲示板に助けを求める。「めし どこか たのむ」「電車男」と呼ばれるようになった彼は、掲示板の住人たちの励ましや助言に後押しされて、ようやく彼女をデートに誘う。悩み、戸惑う電車男のピュアな気持ちは、仲間達を熱い共感と興奮の渦に巻きこんでいく……。「電車男」は果たして彼女に告白できるのか?

発祥となった2ちゃんねるでは予想を裏切る大好評、リピーター続出、公開期間延長、作中で使われた紅茶のブランド・ヴェノアもお手ごろ価格で通販開始などなど、御祭り騒ぎの今作。ネットで観ることのできる予告映像もなかなか面白かったので、迷いに迷った挙句観て来ました

一応ネットでログをすべて読んだ上で観たが、再現性はそれほど悪くない。原作では、殺伐とした人々が徐々に彼を応援していくという部分が感動を呼ぶが、映画ではいわゆる「名無し」を7人に絞り、彼らと主人公の交流という風な展開をする。原作では膨大な名無しの書き込みが記号的に見えたりすることもあるが、今作では人と人との交流をメインにしている。ただ、ネットを肯定的に描いているわけでもなく、現実の社会で問題を抱えた人間の逃避した場所という風に設定されていた

序盤はコメディタッチで進むが、ネタは2ちゃんねるからの引用が多く、「現実でこういう言葉を使うとこんなに気持ち悪いんだな」とどん引きすること請け合い。まぁ、主人公のオタクっぽさをアピールするという趣旨があるわけで、それは充分に伝わってくる。主人公は割と早い段階でルックス的に脱オタをするが、言動はオタ風味溢れ、「オタクが無理している」という笑いは崩れない。それは終盤まで続いていくことになるわけだが

名無し達の言動が定期的に挟まれ、画面を分割して同時進行的に写される。直接電車男にコメントをつけている部分は、書き込んだ文字をそのまま表示あるいは名無し自身が話すという演出になっている。電車男の登場を待ちつつも日常を送っている描写も挟まれ、各々の生活のスタイルが浮き彫りになる。引きこもりは絶えずPCの前に居て、オタク3人組は漫画喫茶で漫画を読みつつPCをチェックし、主婦は家事をしながらPCをつけ、看護婦は仕事が暇になった時にだけ休憩室でPCを開き、サラリーマンは仕事から帰ってきたらビールとつまみを片手に自室でくつろぎつつ参加する、という具合だ。そういった描写を挟むことで、単に応援しているだけではなく、応援することが彼らの生活の中である種の娯楽や慰安となっていることが分かるようになっている。ようは彼らも電車男を応援するという行為だけを楽しんでいるわけで、それが最後になると彼らの人生へ影響していくことに気づいていない。物語の後半は普通の恋愛モノという印象だが、電車男の葛藤や必死さは嫌味なく描かれ、それなりに感情移入して観ることができる

今作は原作をかなりディフォルメしてある。原作は漫画化もされているが、漫画のほうがより原作に忠実だ。電車男を見守る名無したちが実質的に物語を構築した原作とは違い、この作品は電車男自身をメインに据えている為、物語はより一般的になっているものの“電車男”という物語の本質的な部分というか売りである「匿名の人物たちが匿名であるがゆえに何の打算も無く純粋に一人の男性の恋を応援した」という部分をあまり描ききれていない。それを補完する為に、名無し7人を含む登場人物のほとんどを善人に描いてはいるが、それが結果的により寓話的に見えてしまい、逆説的にオタクに対する冷めた視線を感じることになるというか

また、主演の山田孝之が全編に渡って熱演していて、彼でなければ成り立たないのではないかと思うほど。役者一人一人に焦点を絞れば出演者はかなり良い演技をしていると思う。とはいっても技巧的な名演というわけではなく、情感のこもった演技ということだが。特に最後の告白シーンは理屈ぬきにグッと来た

優しい人々によって一つの恋が成就し、彼らもそれがきっかけとなりそれぞれ人生を少し良い方向に転がす。そういった意味合いで、非常に雰囲気の良い映画。観ていて嫌な気分になることはあまりないかと

予告はこちら(ネタバレしてます)
http://211.13.205.242/tvcm/densya/densya_1M.wmv
大滝詠一の作品

伝説のロックバンドはっぴいえんどに在籍していた大滝。その後1970年代を通して数多くのソロアルバムを発表するも、音楽的な実りの豊かさとは裏腹に商業的な成功を手にすることはできなかった 。そんな不遇の時代を経た彼が、そのマニアックともいえるアメリカン・ポップスへの深い知識をわかりやすく結晶化させた作品が『A LONG VACATION』である。それまでの日本にはなかったドライでクールな情感を漂わせるメロディ、精密に構築されたカラフルな音作り、松本隆の手によるファッショナブルな歌詞が生みだすサウンドイメージは、当時の音楽シーンに大きな衝撃を与えるとともに、ベストセラーとなった。「ジャパニーズ・ポップスの最高峰」と評されることも多い傑作。永井博によるジャケットも秀逸だ

この作品は聴いてみると音がかなり立体的に構築されている。何回かリマスタリングを重ねているこの作品だが、音に非常にこだわりを持ち、アーティスト自身の手で作業を行ったらしい。この作品しか聴いていないが、単に音が古臭く聴こえないようにとの配慮だけではなく、よりクオリティの高い作品として完成度を高めるという志でリマスタリングを行っていたようだ

名盤認定されている作品だが、一聴しただけでもそれなりに良さは分かる。単純にアーティスト自身の声質が良いということと、細かく作りこんでいる音は感覚的に聴いて心地よいことを前提にしてあるからだ。予備知識を持つ層にも訴えかける作品でありながら、一般的な魅力に重きを置いているというか。「ちょっと風化しすぎでは・・・?」と思う楽曲もちらほらあるが、とりあえず「君は天然色」が名曲過ぎるのでOKではないかと

SONGS

2005年6月29日 音楽
山下達郎と大貫妙子が在籍したSUGAR BABEの作品

ハードなパンクやヘヴィロックで歌われるメッセージと同じぐらい、この若き日の山下達郎や大貫妙子が歌う“愛する人と音楽のある場所”への真剣さは、世界のポップスの中でも比類ないものだ。大瀧詠一のレーベル、ナイアガラの第1弾として1975年にリリ―スされた、シュガー・ベイブとしては唯一のアルバム『SONGS』。1994年にCD化されたこの音源には、アナログ盤には未収だった「SHOW」や「パレード」のデモ・ヴァージョン、「愛は幻」「今日はなんだか」のライヴテイクも収録されているのもうれしい。アメリカン50〜60年代、A&M、ライトなソウル…といった当時誰も融合し得なかった新しいポップスへの挑戦はまぶしいほど

大滝詠一のナイアガラレーベルの第一弾。数年前シュガーベイブの曲のみを歌うライブを山下達郎が敢行し、CM等で楽曲が使われ微妙にその存在が再確認された。大御所である山下達郎・大貫妙子の2人が過去に組んだ作品というコレクターズアイテム的な見方もあるが、聴けば単純に良盤と呼べるような作品に仕上がっている

基本的にツインヴォーカルであり、山下達郎が歌う楽曲は大貫妙子がコーラスを、大貫妙子が歌う楽曲は山下達郎がコーラスを、というような振り分けがされている。基本的な世界観は山下達郎の出しているものに近い。しかし現在の彼の作品から受けるある種の大仰さは無く、さらりと聴ける。当時を振り返る発言を調べたところ作品に対するクオリティを求める姿勢は変わらなかったようだが、結果的には荒削りながら軽く暖かな音色と、抑制され等身大の魅力を持った作品になっている。全体的に垢抜けない朴訥な雰囲気があり、それはこの作品において良い方向に転んでいて、非常に親密な気持ちになれる。現在聴いても全く遜色の無いポップス

<収録曲>
SHOW
DOWN TOWN
蜃気楼の街
風の世界
ためいきばかり
いつも通り
すてきなメロディー
今日はなんだか
雨は手のひらにいっぱい
過ぎ去りし日々“60’s Dream”
SUGAR
SHOW(デモ)
夏の終りに(デモ)
指切り(デモ)
パレード(デモ)
すてきなメロディー(ライヴ)
愛は幻(ライヴ)
今日はなんだか(ライヴ)

ばらいろポップ

2005年6月28日 音楽
SINGER SONGERのデビューアルバム

メンバー全員、それぞれのホームがあるのにもかかわらず、ただ5人が音に惹かれ合って、レコーディングされたものを、鮮度が落ちないうちに、パッケージされた、『ばらいろポップ』。。。ほんと、今まで経験したきた事よりも、ただ5人が集まった瞬間の音を素直に伝えて、録れたてのまま、こうしてリスナーに届けられることは、何よりもうれしい限りです。僕らは、昨年12月の中野サンプラザでのデビューライヴの後、1月にレコーディングのためのリハーサルを行う。Coccoはこの時点で、すでに、数多く の楽曲を書き下ろしており、みんなで、このカセットテープを聴きながら、アルバムに収録される候補曲をセレクト。この中には、アルバムでは収録されなかったCoccoによる多数の曲や、リハーサル中に生まれた、佐藤の詞曲書き下ろしの「悲しきベイブ」などもあった。10日間の合宿によるベーシックのレコーディングでは、笑いあり、涙あり、岸田の入院というアクシデントを経て、先行シングルとなった「初花凜々」も生まれた。その後、都内のレコーディングスタジオにて2週間、歌入れや、曲のアレンジ、いろんな楽器のダビング作業を行い、2月の終わりにようやく、このアルバムは完成する。Coccoが歌い、岸田がハモる、ギターをかき鳴らす。佐藤もハモり、ベースをつま弾く。臺の原始なビートと、僕はほとんどふざけながらも、鍵盤に向かい合う。ただそれだけのこと。終わってみれば、曲は喜び、うれしそう。歌詞の内容はこのレヴューには割愛させていただいた。とにかく僕がいろいろ語るよりも、この6月に発売される、「ばらいろポップ」に触れるリスナーが、サウンドと同時にジャケットをひろげてくれることが一番でしょう。ぜひ楽しみにしていて下さい

企画モノのプロジェクトということになるのだろうか。お互いにそれなりの評価を受けファンのついている2つのアーティストが組み、生み出した作品と言うことになる。Coccoはこれが実質上の復帰作ということになるが、休止していた頃に出した音源から推測されるような音になっている。ソロ時代にあった、ハードな歌詞と楽曲と透明感がありメロディアスな歌詞と楽曲という二面性は売りの一つだったが、休止後に発表された音源はどれもこれも透明感のある方向の音だった。その部分を下地にしてくるりがあれこれとアレンジを加え、暖かみを感じある種牧歌的な作品に仕上がっている

個人的には、アレンジや演奏が勝ちすぎて各々のアーティストの持ち味があまり発揮されていないのではないかと思った。Coccoの歌唱も微妙に変わっているような・・・。なんだか無難にまとめられたこの作品は、待ちに待っていただけにがっくりきた。普通にまっさらな気分で各々のアーティストの音源を聴いたことのない人ならクオリティの高い新人アーティストということで気に入るかもしれない。やっぱりCoccoにはソロをやって欲しいなぁ

こちらで試聴できます
http://www.singersonger.com/

<収録曲>
SING A SONG 〜NO MUSIC,NO LIFE〜 Album Edit
ロマンチックモード
雨のララバイ
雨降り星
Home
Millions of Kiss
Come on you
オアシス
Baby,tonight
初花凜々

M・Renaissance

2005年6月27日 音楽
渡辺美里の20周年ベスト

20周年を総括するウルトラ・ベスト『M・Renaissance』の収録曲が発表された。7月13日(水)にリリースされるこのベスト盤には、アルバム未収録のデビュー曲「I’m Free」をはじめ、彼女の代表曲や隠れた名曲が3枚組というボリュームで収録されるので要チェックです

20周年を記念した3枚組のベストアルバム。10周年に1枚組のベスト、15周年に2枚組のベストを出しているが、今回はそれらのベストと楽曲が被っているものの、3枚組ということでより細かく楽曲を網羅していて、なかなか興味深いアルバムになっている。アップテンポで耳に馴染みのある「恋したっていいじゃない」が前回・前々回のベストにもれつつもこのアルバムでは収録されているのは個人的に高ポイント。正直ディスク3の楽曲は全く知らないが、1枚目だけでもかなりグッと来る選曲になっている。リマスタリングされた「My Revolution 」を聴けるのは嬉しいところ。「10 Years」「悲しいね」「サマータイムブルース」など、聴き所満載な一品になっている。個人的には「Believe」に感涙

旬のアーティストとは言い難いが、往年の名曲の数々は今聴いても色あせないはず

こちらで試聴できます
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/ES/MisatoWatanabe/ESCL-2663/index.html

<収録曲>
ディスク 1
1 10 Years
2 My Revolution
3 Growin?up
4 I?m Free
5 Teenage Walk
6 さくらの花の咲くころに
7 きみに会えて
8 Believe (Remix Version)
9 いつかきっと
10 悲しいね (Remix Version)
11 Eyes
12 Jump
13 サンキュ
14 恋したっていいじゃない
15 Lovin? You
16 My Love Your Love (たったひとりしかいない あなたへ)

ディスク 2
1 夏が来た!
2 夏の歌
3 ラブ ゴーゴー!!
4 サマータイムブルース
5 みんないた夏
6 一瞬の夏
7 彼女の彼
8 遅れてきた夏休み
9 君はクロール
10 ソレイユ
11 熱いふたり
12 夏灼きたまご
13 真夏のサンタクロース
14 センチメンタルカンガルー
15 太陽は知っている
16 すき (Apricot Mix)

ディスク 3
1 悲しいボーイフレンド
2 跳べ 模型ヒコーキ
3 素顔
4 彼女
5 小指
6 37.2℃ (夢みるように うたいたい)
7 One More Kiss
8 キャッチボール
9 I Wish
10 悲しいくちづけ
11 Amagumo
12 男の子のように
13 バースデイ
14 Breath
15 風になれたら

QUATTRO

2005年6月26日 音楽
paris match の4thアルバム

ソウル、ジャズ、ボサノヴァなどをルーツとするシティ・ポップを志向する このアーティストが、ディープな趣味性を抑制して「歌モノ」に徹した感のある本作は、当然のように聴きやすさがアップ。しかも何度も繰り返して聴いているうちに奥深い音楽性がスーッと浮かび上がってくるという、ポップスのひとつの理想を形作っている。清涼感と色っぽさを兼ね備えたミズノマリのボーカル、大衆性と音楽性のバランスをしっかり取った杉山洋介のメロディ、映像を喚起する古澤大のリリックによるコラボレーションも、うまく機能してると思う

アーティストについての詳細は上記を参照されたし

このアーティストは淡いが確固とした独自の“色”を持っている。音に攻撃性や派手さは全く無く、落ち着いたアレンジによるクールな曲に穏やかで心地よいヴォーカルが乗る。楽曲から感じる距離感が他のアーティストに比べて良くも悪くも“遠い”のも特徴だ。それゆえに、結構ポップなメロディでありながら独特の品の良さを感じることが出来る。パブリックイメージはいわゆる「お洒落なアーティスト」的なものだが、似たような音楽性のオレンジペコーよりもキャッチーさが無く叙情的というか、淡々とした“間”を大事にした品の良い魅力がある

今作はこのアーティストにあまり似つかわしくない“夏”をイメージした作品とのことで、前作のType?と比べると華やかさが増している。気取りのようなものも薄れ、夏の開放感を上手く引き出した楽曲が並んでいる。そして、少々歌謡曲的なメロディに寄っているような印象も受けるので、もしかしたらこの作品のほうが他と比べて聴きやすいかもしれない。バカラックの「Arthur’s theme」のカヴァーあり

WILD AND GENTLE

2005年6月25日 音楽
畠山美由紀の2ndアルバム

ソロ・アルバム3枚目、オリジナル作としては2枚目となる作品。鈴木惣一郎(4曲)、CHORO CLUB(3曲)、冨田恵一(3曲)、青柳拓次(1曲)とそうそうたる顔ぶれがプロデュースを担当し、それらの曲が交互に出てくるという構成。鈴木は弦楽器を多用したジャジーで美麗なアプローチ、CHORO CLUBはお得意のブラジリアン・ポップ、冨田はストリングス主体のソウル〜ファンクと、それぞれが個性を発揮しつつ、畠山美由紀の歌と相対している。どの曲もアクの強い演奏だが、畠山の歌が確固たる存在感を放っているので、演奏に負けることがないし統一感もある。やはり彼女の、抜群の歌唱力と卓越した感情表現によるヴォーカルは圧倒的だ。毛色の異なる複数のプロデューサーとバトル的に渡り合うことで、そのレベルをいっそう高めた、実験的な意欲作

個人的に、このアーティストをリアルタイムでフォローできた初めての作品ということになる。この作品の直前にカヴァーアルバムをリリースし、そこでポリスの「見つめていたい」をカヴァーしたのが引っかかった原因だった。その後現在まで追いかけることになるとは思いもよらなかったが・・・

この作品はソロ2作目ということで、前作にあった他の仕事の影響を出来るだけ払拭したオーソドックスな歌モノになっている。富田ラボがシングルである「海が欲しいのに」を担当し、アルバムでは作詞で松本隆が参加している。一聴すればこのアーティストの魅力は大体分かるような作品に仕上がっていると思う

このアーティストはいわゆる“シンガー”なので、声質と表現力で勝負している。特に声が綺麗というわけでもない。しかし、このアーティストは歌に“情感”・・・ようするにエモーションを込めるのが非常に上手い。感情表現が多彩で深みがあり、なおかつ暖かみがある。楽曲に切なさが必要であれば切なさを歌唱で加味し、軽やかさが必要であれば軽やかさを加味する・・・なんだか書いているとごくごく当たり前のことのようだが、彼女の場合それをきっちりとこなしつつもテクニカルにならず人間の暖かみのようなものが感じ取れるのだ

このアーティストに入るならこの作品をお勧めする。王道のポップスという音楽性ゆえに彼女の魅力が端的に分かりやすいと思う

COMIC BATON

2005年6月24日 漫画
「Everything She Wants」の秋林瑞佳さんからバトンを受け取りました
http://diarynote.jp/d/25683/

■概要
MUSICAL BATONと同様の趣旨である漫画に関する企画
漫画に関するいくつかの質問が「バトン」として回ってきたら、
自分のブログ上でこれらの質問に答え、次の5人を選びその人に
バトンを渡す、というルール

■ 質問
・本棚に入っている漫画単行本の冊数
・今面白い漫画
・最後に買った漫画
・よく読む、または特別な思い入れのある漫画
・バトンを渡す5人

1.本棚に入っている漫画単行本の冊数

きちんと数えていないんですが、おそらく200冊はあるかと

2.今面白い漫画

島本和彦「逆境ナイン」
この作品のインパクトは大きすぎましたよ

3.最後に買った漫画

島本和彦「逆境ナイン」
レビューしたのでそちらを参照してください

4.よく読む、または思いいれのある5冊

では順不同で・・・

・島本和彦「逆境ナイン」
久々に爆笑した作品。前向きになれる良作です
あまりにも適当な展開と価値観に脱力し、暖かな笑いを浮かべてしまう作品
名言が多く、思い出しては吹き出すという余韻の残る作品です

・手塚治虫「BLACK JACK」
これは人生の指針となるバイブルですよ
安っぽいヒューマニズムではない底辺を知った視線にシビれます
時折読み返し、ブラックジャックの振る舞いを観て安心する、
そんな作品です。逃避ではなく彼の魅力を確認するということです

・うすた京介「ピューと吹く!ジャガー」
冴えない日常を笑いに変えて行くのでどんな気分でも笑えます
何回読んでも(失笑気味に)笑えるという稀有な作品
漫画の持つ面白さを端的に体現している作品だと思います

・魔夜峰央「パタリロ!」
この作家のテイストが非常に好きです
独特の間があって、キャラクターも魅力的
一話完結ながら構成が上手いし、時折チラつく知性にグッと来ます
バンコラン、マライヒ、パタリロ、タマネギのやりとりは、
いつ観ても納得のクオリティです

・望月峯太郎「お茶の間」
これは思い出の作品です
受験で疲れていた頃この作品を読んで衝撃を受けました
「バタアシ金魚」の続編ですが、社会を舞台にしていて、
主人公が破天荒なノリで社会からはみだしつつ自分自身の人生を歩んでいく様に
「こんなんで良いんだよな、人生」と安心し感動しました
よくよく考えてみると安心しちゃいけなかったような気もするのですが・・・

5.バトンを渡す5人

またしても悩みどころですよ
音楽は聴いていない人はほとんどいないと思いますが、
漫画は読まない人も結構居るわけでして

「WHAT’S NEW PUSSYCAT!?」の瑠璃子さん
http://blog.so-net.ne.jp/pussycat/
「Partygirl」のkumiさん
http://blog.goo.ne.jp/partygirl2005
「ロバの耳打ち、いまが読みごろ。」のgomaさん
http://diarynote.jp/d/61990/
「音楽好きのあまのじゃく日記」のこのはさん
http://diarynote.jp/d/51377/
「黄色いみかん」のみかんさん
http://diarynote.jp/d/58435/

この5人にバトンを渡そうと思います
負担になるようでしたら無視していただいて結構です
それではよろしくお願いします

Blue in the Face

2005年6月23日 映画
ハーヴェイ・カイテル主演作品

ブルックリンで煙草屋を営む主人公は、暇な仲間たちと楽しく過ごしている。そんなある日、店のオーナーからこの店を畳むという話を告げられ・・・

この作品は映画「スモーク」のスピンオフとして製作された。とはいっても、映画を製作した際の現場の雰囲気の良さや楽しさで作られたようなので、本来のスピンオフの趣旨である“柳の下のドジョウ”という目論みとは毛色の違う、お遊びの要素の強い作品になっている

主人公としてハーヴェイ・カイテルは据えられているが、この作品は“群像劇”になっているため、彼に特別な魅力のようなものは与えていない。煙草屋の親父以上でも以下でもないのだ。そんな彼の周りには人の良い仲間たちが集まり、毒にも薬にもならない話をしたり、ラップをしたり、フラメンコギターを弾いたり、万引きしたり、誘惑したり、踊ったりする。その模様が物語の展開や伏線にもならずに続いて行き、まるでおまけのように“店の危機”という話が放り込まれる

この映画を久しぶりに見て再度確認したが、劇中で使われる音楽が非常に良い。多種多様な民俗音楽、ロック、ヒップホップなどが雑多に詰め込まれている。因みに沖縄の民謡も使われている。登場人物の年齢層が高いうえに若い登場人物が物語の主軸になるシーンがほとんどないので、感情移入して楽しむタイプの人には不向きかと思う。しかし、どこかの街で生き生きと暮らす人々が居るという視点をこの作品は与えてくれるし、それは等身大の視点なので彼らのユーモアのセンスはこちらの現実に応用可能だ。個人的にはそれだけで随分面白かった

requests!

2005年6月22日 音楽
Cymbalsによるライヴベストアルバム

自身のHPで募集したファンのリクエストによって選ばれた楽曲を、「Love You Live」ツアーの中でライヴ録音して収録。ライブ音源とは思えないヴォーカルの安定感は特筆に価する

シンバルズは渋谷系の流れを汲むバンドとしてカテゴライズされていたようだが、その手の他バンドとは一線を画すクオリティと評されており、個人的には全くその通りだと思っている。アルバム毎に方向性を変えてきたがどのアルバムもそれぞれクオリティが高く・・・ようは下手だが雰囲気で売るタイプではないということだが・・・なによりヴォーカルの抜けるような気持ちの良い歌声が様々な音楽的な試みのなかで柱となっていた

これはライブアルバムにありがちな勢いだけの演奏ではなく、(音源化を目的として録音しているのだから当たり前かもしれないが)スタジオ録音と比べてもなんら遜色はない。おまけに選曲もファン投票によりそれぞれのアルバムの中から満遍なく選ばれている。このアルバムのリリース後CD音源からのベストアルバムが発売されたが、アルバムとしての統一感がありこのアーティストの良さを理解しやすいのでこちらのほうがベストと呼べる作品ではないかと思う。個人的には初期の名曲「Rally」を何の時代的解釈もいれず当時のアレンジで歌ったのがツボだった。同じアレンジで歌ったため当時と比べて歌唱力が上がっていることが浮き彫りになっていて、それゆえにドリーミーな印象が薄れていたものの、楽曲として完成度が高くなっていた

ライヴ音源としてはクオリティが高く普通のベストアルバムには無いテンションの高さがある。MCで独特のスタンスも感じ取れると思う。今聴いても全く遜色の無い良盤

<収録曲>
Love You
E.G.G.
Show Business
RALLY
My Patrick
Love Thing
Rain Song
Higher than the Sun
Mach 0.8
Highway Star,Speed Star
Do You Believe In Magic?
Wingspan
Cucumber!
Happy Knight,Shiny Child
怒れる小さな茶色い犬
I’m a Believer
Introducing of Guest Musicians

MUSICAL BATON

2005年6月21日 音楽
「WHAT’S NEW PUSSYCAT!?」の瑠璃子さんからバトンを渡されました
http://blog.so-net.ne.jp/pussycat/

■ 概要
海外のブログに端を発する、音楽に関する企画。
音楽に関するいくつかの質問が「バトン」として回ってきたら、
自分のブログ上でこれらの質問に答え、次の5人を選びその人に
バトンを渡す、というルール。

■ 質問
・Total volume of music files on my computer
(コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
・Song playing right now (今聞いている曲)
・The last CD I bought (最後に買ったCD)
・Five songs(tunes) I listen to a lot,
 or that mean a lot to me
(よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
・Five people to whom I’m passing the baton
(バトンを渡す5人)

1.PCに入っている音楽ファイルの容量

iPodを使っているので大量に入れてiTunesで管理しています
19Gくらいは入っているんではないかと・・・
持っているCDはすべてPCに入っていると思います

2.今聴いている曲

SMAPの「fly」
最近ベストアルバムを借りてきたんですが、懐かしいです
初期の合法なP2Pをやっていた頃、誰にも知られないように、
こっそりとスマップの音源を集めていたのを思い出しますね

3.最後に買ったCD

半野善弘「アンジェラス」
レビューをしたので詳しくはそちらを参照してください

4.良く聴く、または特別な思いいれのある楽曲

では順不同で・・・

・東京少年「カケラ達のキャンバス」
これは中学生くらいの時に初めて聴いた思い出の曲です
今聴くと当時を思い出して泣けます
歌詞が思い出を助長するような内容なのです

・Ben Folds Five「Brick」
これは大学時代の思い出の曲です
当時1人暮らしをしていたんですが、
そういった生活特有の誰にも介在されない時間を象徴していたような・・・
歌詞は失恋の喪失感を題材にしています

・Double Famous「Two Ladies in de Shade of de Banana Tree」
これは単純に好きな曲という事で・・・
往年の洋楽のカヴァーらしいのですが、
畠山美由紀の歌声が素晴らしく、グッとテンションを上げてくれる曲です

・The Beatles「And Your Bird Can Sing」
ベタなところで一つ・・・「Revolver」収録曲
ビートルズは、名曲よりもこういった軽めの曲が好きです
コーラスワークが秀逸で、聴いていて気持ちが良い

・Ron Sexsmith「Not About To Lose」
このアーティストは予備知識なしに手に取ったんですが、
結構渋めの音を出すわりにこの曲はかなりポップでした
この曲ばかり聴いている印象があります

5.バトンを渡す5人

これは悩みどころですよ
僕の運営しているブログの内容上、
それほど交流をメインにしているわけではないですし・・・
あれこれ考えたんですが、お気に入りに登録している方に渡してみます
もし負担になるようでしたら無視していただいて結構です

takaさん、CELIAさん、ミケンさん、乙女さん、ねじまき鳥さん

この5人にバトンを渡したいと思います
音楽の話題を定期的に出している方を中心に選びました
ではよろしくお願いします

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